カレル=チャペック著。千野栄一訳。岩波文庫刊。
「ロボット」という言葉を世に出したチャペックさんのSFの古典的戯曲です。
原題は「R.U.R.」といいまして、「ロッスムのユニバーサル・ロボット」の略です。
ロッスム社が造り出したロボットが世界中の労働を代替わりするようになり、ロボットたちが反乱を起こして人間たちをただ一人を残して滅ぼすも、今度はロボットの設計図も失われていたためにロボットたちが危機に陥り、最後は感情がないと思われていたロボット同士の恋愛が芽生えていたことで未来に希望を繋いで終わってます。
いやいや、全ての「ロボット(というか人間以外)の反乱」のような話って全部、これの焼き直しなんだなと思いました(暴言)。この時点で再製作が宣伝されてる「ブレードランナー」とかも含めて、全部、基本的なスタイルはこの話に詰まっているのだなぁと思います。
そういう意味では先日読んだ、同じチャペックさんの「山椒魚戦争」も同じテーマなんだと。ただ、あちらではあんまり未来に希望は感じられない終わり方だったのがより進んでいると言いますか。
作中、挿絵ならぬ写真が挿入されてますが、プラハ国民劇場での初演時に、それぞれの役を演じた俳優さんたちだそうです。
今の時代にもなお色あせない傑作です。
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