三原順著。白泉社文庫刊。
「はみだしっ子」で有名な三原順さんの漫画。「
エックス・デー」にも登場したダドリー=トレヴァーが主役ですが、作者曰く、同姓同名の別人だそうな。確かに「
エックス・デー」のダドリーよりも軽い感じです。
中学生の頃の友人トマスに呼び出されたダドリー=トレヴァーは、トマスが月齢1/4の時に豚に変わってしまうと知る。しかもトマスは近所の雌豚スザンナに追いかけられており、豚を飼うメイヤーにも豚泥棒と疑われていた。美食家のトマスは田舎町の郊外にレストランを経営していたが、2人の運命やいかに?
よりによって狼男ならぬ豚男とは、アイデアに脱帽です。しかし、この豚、侮れません。その身体は毬のようにはずみやすくなり、どんな高さから落ちても大丈夫な上、トマスの知性も残ってます。狼男みたいな残虐性もありません。
しかし、よりによって豚かぁ。ちなみにその特性はトマスのみならず、父が半月の時に猪男に変身し、祖父は満月の時に狼男に変身しました。遺伝のようです。
あとは三原漫画特有の大量の台詞たち。当人たちはいたって真面目なのに豚になってしまうという一点で醸し出されるユーモア。トマスの血を輸血されて、自身も尻尾が生えてしまうダドリーとのやりとりは、単におかしいだけじゃないメッセージが隠されているのかなぁと読み込んでしまう魅力にあふれているのでした。
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