中公新書刊。田草川弘著。
副題に「エド・マローが報道した現代史」とあるように、「グッドナイト&グッドラック」の特典冊子です。特典といっても、もともと中公新書の1冊を復刻したようで、ボリュームとしても十分、新書です。
エドワード=R=マローの伝記にからめて、第二次世界大戦以前からの報道史を描いた1冊。映画ではマローの功績はごく一部しか語られていないわけで、これにて補完することができます。著者曰く、マローの評伝としては日本語のものは唯一だそうで、今のテレビに限らずメディアというものは、マローの精神に学ぶことはすごく多いと思いますので、ぜひ、この本に限らず、エドワード=R=マローについての評伝が、「グッドナイト&グッドラック」とともに増えることを願ってやみません。
アメリカに追いつけ追い越せの精神で発達した日本のテレビ界。2011年に一方的に地上波アナログ放送の終了を迎えようとする昨今、マローの精神とはまったく逆方向に突き進んでいるような気がするのは、わしだけではありますまい。
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