総領冬実著。モーニングKCDX刊。
続刊です。アンジェロがだんだん狂言回しを外れてチェーザレ自身を直接描くようになってきました。まぁ、アンジェロはもともとフィレンツェ人で、スペイン団のチェーザレとは違うのですが仲の良さは変わらないので接近と言えば接近してます。しかし、とうとう登場人物一覧からアンジェロが消えてしまったのはしょうがないとも言えます。
ただ、10巻ではジョヴァンニ=デ・メディチがいよいよ大学を卒業し、チェーザレの推薦もあり、アンジェロはジョヴァンニに従ってフィレンツェ、さらにはローマに行くことになり、自らチェーザレの密偵を買って出ます。これがどういう方向に働くのか興味深いところですが、一方でルネサンス時代の有名人がぞくぞく登場するので、ますます影は薄くなっていきそうでもあります。
コロンブスについてわりと好意的な描き方をしているのはパトロンだったスペインだからしょうがないのかもしれませんが、批判的な視線も欲しかったような… まぁ、無理か。
歴史漫画という色彩がいよいよ濃くなってきた感もありますが、ミゲロのような魅力的なキャラも配置しつつ、エンタテイメント性も失ってないのは著者の力量の高さゆえでしょう。
しかし、この漫画、ほんとに完結するのかいな。
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