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池田理代子著。集英社文庫刊。全9巻。

「ベルサイユのばら」で有名な池田理代子さんの歴史大河ロマン。ボリューム的には「ベルばら」の倍近くあり、第一次世界大戦、二度のロシア革命やドレフュス事件といった実在の事件に加えて、ギリシア神話のオルフェウスに材を取った悲恋、男装の麗人、学園物、音楽と多彩な内容に改めて著者の才能をまざまざと見せつけられた感じでした。寝る前に1巻だけ読もうと思って手に取ったのが大間違いで、そのまま漫画読み続けて夜更かし(朝ちゅん)というのを20年ぶりくらいにやってしまいましたよ。

池田理代子恐ろしい子 (((((((( ;゚Д゚)))))))

「ベルばら」に比べると個々のキャラクターのヒロイック性はだいぶ薄れていましたが、その分、少女漫画要素たっぷりのリアリティで、なにしろページを繰る手を止められません。
ヒロイン・ユリウスを次々に襲う試練、イザークの持つ音楽の圧倒的な才能と試練、クラウスの隠された過去と使命、そこにユリウスの異母姉マリア・バルバラとアネロッテ、ユリウスの両親、イザークの妹フリデリーケ、イザークのライバル・モーリッツ、クラウスの恋人アルラウネ、ユリウスやイザークの先輩ダーヴィト、学校の先生ヴィルクリヒといった多種多層な登場人物が次々にからみ、愛憎を交わし、友情を育み、すれ違い、出逢い、出会い、これでもかと詰め込まれたドラマはめまいがするほどに豪華絢爛な絵巻でした。

「ベルばら」と違って、第1部〜第4部と章立てが分かれているので、第2部のイザークが主役の話ではどっぷり音楽、第3部のクラウスが主役の話では、その生い立ちとロシア革命にかける情熱なども明かされて、第1部のラストでクラウスを追ってロシアに発つユリウスのドラマが複層的にからんで、記憶喪失という使い古されたネタもまた少女漫画性に拍車をかけまくって、ここで新たに登場したキャラクターたちが第1部第2部に負けず劣らぬ魅力を放っており、いやいや、何度も言いますけど、池田理代子恐るべしです。

大河ドラマならではの素晴らしさは、何といっても登場人物たちを使い捨てにしないところ。イザークのライバルのモーリッツは、イザークの妹のフリデリーケに横恋慕して、間接的に彼女を殺す羽目になってしまいますが、逆にそれで人間ができて、ユリウスの長姉マリア・バルバラといい事業の連携を取ることができたり、それでもウィーンに来て、フリデリーケそっくりのイザークの教え子と過ちを犯しそうかけても、奥さんに止められてやり直したり、ユリウスやイザークの先輩ダーヴィトが第4部でマリア・バルバラといい仲になったりというその後をちゃんと描いてくれたのも、イザークに思いを寄せる酒場の少女が最終的には妻にまでなるのに子どもを産んで死んじゃう辺りも、まさに大河ロマンです(←「戦争と人間」をまだ根に持っている)。

わし的にはピアノを教わったヴィルクリヒ先生をずっと慕っていて、突然現れた異母妹ユリウスを憎んでいたものの、召使いのゲルトルートの扱いからけっこう早くにいい人になったマリア・バルバラが好きでした。あとクラウスの恋人を装っていたけど、本当は兄ドミートリィの恋人だったアルラウネとかも。

間違いなく傑作です。

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