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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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さいごの戦い

C.S.ルイス著。瀬田貞二訳。岩波少年文庫刊。ナルニア国ものがたり7。

大猿のヨコシマは、ロバのトマドイに拾ったライオンの皮をかぶせ、アスランの名を騙ることを考えつく。偽のアスランにだまされる動物たち、そこへ侵略してくるカロールメン人たち。最後のナルニアの王となったチリアンは、親友の一角獣、たから石、ユースチス、ジルとともに戦うが…。

いよいよ最終巻となりました。しかし、タイトルは「さいごの戦い」と勇ましいですが、規模は小さく、もっと大きな合戦が行われるのかと思っていたら、ちょっと期待はずれでした。
チリアンは第4話のリリアンの、ひ孫のひ孫だそうですから、リリアンを助けに冒険したユースチスやジルには驚くほどの時間が流れたことになります。
そして第5巻でナルニアへの野望を明らかにしたカロールメン国が、ここにきて本格的に侵略にかかりますが、さらにカロールメン人の信仰するタシ神まで現れるにいたっては、ナルニア対カロールメンの一大合戦とか期待しちゃうじゃないですか。
しかし、いろいろと危機もあったりしましたが、戦いそのものはそんなに大がかりなものではなく、まぁ、ナルニア自体がそんなに大きな国というわけでもなさそうなので(少なくとも人口密度は低そう)、せいぜい数百人規模の合戦で終わりました。

で、ここに来て、わしが最初に「ナルニア」を知った時に、あ〜、これはわしには合いそうもないな〜と思ったとおりの展開に。

すでに作者も明らかにしておりますが、アスランはイエス・キリスト(一応、伏せ字)でもあります。そして「ナルニア」の物語はすべて、アスランを中心に動き、すべてのものがアスランに還っていくのです。つまり、それってば、まるまるキリスト教的な宗教観でありまして、まさに「信ずる者は救われん」の精神だと思うのですよ。
でも、わしは、神も仏も信じておりません。いてもいなくてもどっちでもいいのですが、わしは神にも仏にも救われたいとは思ってないのです。
だから、ラスト、アスランのもとでめでたしめでたし(一応、ネタバレを避けます)となりますが、わしはごめん被りたいのです、こういう展開は。あるいは、こうなることは。「神に祈らず」の精神です。

まぁ、わかっていて読み始めたんで、別に文句は言いませんが、「指輪物語」があまりに独自の世界と宗教を持っていることを考えると、やっぱり、圧倒的に「指輪」に軍配上がっちゃうな〜という次第。

もしも、作者がアスランの正体を匂わせるだけで、こんなにはっきりとしてなかったら、わしも単におもしろいファンタジーで終わるのですが、むしろ、この作者の場合は、そのことこそが重要なようなので、まぁ、「ナルニア」はこれで勘弁です。

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