「トリトン」には一部地域のみで放映されたという幻の第1話があります。DVD-BOXなのに、特典、これと予告編だけってどうよ? んで、たきがは、おそらく放映当時は見てないと思いますので、初視聴なんですが、基本的に話は同じわけやね。
かなり印象が変わるのが、クラゲの声が男性(それもポセイドンと同じと思われるのですが)だってことでしょう。第1話見た時は、一平じいさんと涙ながらに別れたトリトンを追うように、「トリトンが海へ戻った」とクラゲが通信を送るシーンで締めになっとるわけですが、そのストーカーぶりにはなかなかポセイドンもやるのぉ〜とぞくぞくさせられたもんですが、だんだん攻めに粗が…
で、昨日の最終話の感想の反省というか、振り返りを1つ。
今の心情で見ると、どうも圧倒的にポセイドンに傾いてしまうわけなんですが(特に最後の大どんでん返しを知ってから見ると、どうしてもトリトンに感情移入しにくい)、さて、それでは「トリトン」というのはお子さま向けのアニメであって、大人の視聴に耐えられないのか、という話になると違うような気もするんですよね〜 まさかわしも、「トリトン」の主題歌だけで覚えていたのも、話としてはいまいちだったけど、主題歌は素晴らしく良かったので、話の記憶は抹殺したとか、なかったんじゃねーかと思うんすよ(あれ? でも「千と千尋」なんて主題歌は好きだが、話としてはわし的にはなかったことにしたい話ではあるので、30年ぐらい経ったら、「千と千尋」って映画かい? 主題歌は良かったけど、話は覚えてないねぇとか言い出さないとも限りませんが)。しかし、それにしてはピピにしても3馬鹿にしても、どうしてこうも忘れているのかと言われると、取り立てて理由の1つも思いつかなかったりするわけなんですけど。
わしが初めて見たのってトリトンより年下だったんで、きっと話が進むにつれて、トリトンと一緒になってわくわくし、ポセイドンとの戦いにはらはらし、一体どんな謎がトリトン族とオリハルコンの剣に隠されているのだろうと思い、先を楽しみにしていたのではないかと思うんです。しかし、すっかりとうのたってしまったわしは、どうにもトリトンやピピの短絡的ながきっぽさにいらいらしつつ、オリハルコンの剣の絶対的な強さとか、非情なんだけど間抜けなポセイドン(げふんげふん)とか、見てたりしたもんで、どうにもこうにも。
ただ、キャッチフレーズで言われているほど、「海の平和を守るため」なんだろうかとか思ったり。でも、ポセイドン族って、ほとんど終盤まで凶悪そのものに描かれてきてるんで、いきなり最終回で「わしらは平和に暮らしたかっただけ」とかポセイドンが言い出しても、どこまで本気かわからんし。どっちかというと、大どんでん返しというより、いきなり価値観を引っ繰り返したというか。あるいは、それまではトリトン族と彼らに味方するイルカたちにとっての平和であり、最終回のそれはポセイドン族の平和であり、両者はやっぱり相容れないという話だったりしたのかな、とか。となると、数千年前の因縁を今に引きずらされ、ポセイドンの像を討ち果たすべく、運命づけられたトリトンこそ、実はいちばんいい面の皮であり、ポセイドンは逆に、アトランティスを滅ぼしたお返しをここでされたと考えるとか。
しかし、なんちゅうか、わし、どっちかが滅びないといけない未来って、あんまり信じたくなかったりするわけでして、根っこが甘いんでもいいんですが、どこかで両者が手を取り合う未来というのが見たかったと。その象徴としてのトリトンとヘプタポーダというのはやっぱりありだったんだろうと思うわけなんですよ。そういうキャラにもならないし、中盤のぐだぐださ加減といい、やっぱりピピは好きになれない。
まぁ、そこらへんがやっぱり富野とは相容れないっちゅうかさ。ポセイドンもトリトン族を全滅させないと気が済まなかった。たとえ、その結果がやぶ蛇でも、そう行動したし、トリトンは逆に意図はしていなかったけど、ポセイドン族を全滅させてしまった。で、それはそれとして(とラストでは見える)、長い旅もひとまず終わったんで、またどっかに行こうかなと。
ブックレットを見直して、いろいろ考えたりしたんですが、「トリトン」についてはこんなところで。また見直すか、DVD売っ払っちゃうかわかりませんが。
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