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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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第27話 大西洋陽はまた昇る

最終回。明日の「BS夜話」を前に、いいタイミングだな〜と思いましたが、実は見直しました。いくつか釈然としないところがあったもんで。
例によってネタばればりばりですが、これも古いアニメだし、敢えて伏せません。

ついにポセイドン神殿に攻め込んだトリトン。両親の仇、ゲルペスも討ち、神殿に入ると、ポセイドンの像が動き出す。トリトンにオリハルコンの剣を収めるよう、最初は命令していたのが、次第に弱々しく懇願するポセイドンに、トリトンは像がポセイドンの本体ではなく、操っている者が別にいると察する。ルカーはそれを止めるが、神殿の奥で隠された住処を見つけたトリトンは、そこで恐るべき事実を聞かされるのだった。

なにしろ、こんな急展開、ここ数回なもんですから、あちこち取りこぼしが多いわけっす。で、たぶん、演出の言いたいことというのはこの最終回でてんこ盛りしたと思われるわけでして、トリトンがついにポセイドンの本体に会ってからが真骨頂、実はトリトン族とポセイドン族の因縁とは〜に端を発する物語は、ここに来て、大どんでん返しを迎えるのでした。

トリトン族がアトランティス人の子孫、というのは再三語られてきたことですんで、いいんですが、どうも、ポセイドン族も同じと考えられます。あるいは、アトランティス人にも「○○人」とか「××人」とかいて、その亜流っちゅうか、なにしろ、かつては仲良くアトランティスに住んでいたのがトリトン族とポセイドン族のようです。
なぜなら、ポセイドンの語るなかで、「ポセイドン族はポセイドンの像に捧げられた人身御供だった」とあるからです。
では、なんでポセイドンの像に生贄を捧げる必要があったのかというと、実はここが釈然としないで見直した理由だったんですが、そもそもポセイドンの像というのはアトランティス人がオリハルコンで作った物でした。作り物に生贄って捧げないと思うんですが、ここは拡大解釈して、オリハルコンというのは強力な素材ですんで、神が宿ったとアトランティス人が考えて、生贄を捧げるようになった、としときましょう。まぁ、マヤ文明とか見ましても、昔の人は簡単に生贄を捧げますんで、いまの人間の感性だと「そんなものに人間の命を捧げんでも」という物にも捧げたのかもしれませんし。
しかし、どういう生贄の捧げ方をしとったのか、すごく不明なんですが、何人もの人が生き延びました。その子孫がポセイドン族であり、その頭領がポセイドンってわけです。で、彼らはポセイドンの像の力(オリハルコンですから)を使い、生き延びると同時に、自分たちを生贄に捧げたアトランティス人に復讐します。しごく真っ当な行動だとわしは思います。あと、ポセイドン族となりつつあるこの人たちが、社会的に似たような階級、あるいは人種の中から選ばれたのではないか、と推測するのは難しくありませんので、上記のような解釈「ポセイドン族もアトランティス人の子孫」という考え方ができるわけであります。しかし、生贄が広い社会の中から、ごくランダムに選ばれた、という考え方もできますんで、ここら辺はなんとも言えません。
で、その復讐というのが、「アトランティスを一晩で沈める」というあれですね。そう言えば、前にどっかで「ポセイドンが沈めた」という話もありました。
しかし、アトランティス人は、ポセイドンの像を倒す物をすでに造り出しており、アトランティスからも逃げます。この子孫がトリトン族です。で、トリトン族は、オリハルコンの剣という、ポセイドンの像を倒せる唯一無二の武器を持っていながら、なぜか手は鰭同然にしか考えないという、まことに釈然としない生き方で、やがてポセイドン族に滅ぼされてゆくわけです。ちゅうか、なんでオリハルコンの剣を使うよう訓練しないのか不思議です。彼らにしてみれば、そのために生き延びたはずなんですが…。
ですが、ポセイドンはそのことを知っていたので、トリトン族を滅ぼし、オリハルコンの剣を手に入れようと画策します。

しかし、トリトンはついにポセイドン神殿まで来てしまいました。しかも、オリハルコンの剣の輝きに呼応してポセイドンの像が動き出します。神殿までぶっ壊します。
トリトンが剣を収めるとポセイドンの像は止まりますが、トリトンは像を操っている者が別にいたはず、と察して、ポセイドン族の隠れ家へ。
ところが、そこには死者累々とあるのみで、ポセイドンと覚しき老人の前のホラ貝が、ポセイドンの声でトリトンの疑問に応えるのでした。

ポセイドン、トリトンにちょっかいを出さなければ良かったのでは?
あ、でも、「この世界から出ていきたかった」と言ってるので、ポセイドンの像は命の綱であり、枷でもあったと。となると、オリハルコンの剣は要ったと。
トリトン、何も知らないんだから、殺そうとしないで懐柔しちまえば良かったんじゃね?

しかも、暴走するポセイドンの像も、ポセイドン族の人びとが死んだのも、全部トリトンのせいだとポセイドンに言われて、トリトンの台詞がふるってます。「全部、ポセイドンが悪いんだ!」

(つд⊂)ごしごし

(;゚д゚)

(つд⊂)ごしごし

  _, ._
(;゚ Д゚) …?!


いや、ちょっと待て。町に入るなり、何十人もの人びとの死体を見て、言う台詞がそれか、兄ちゃん? 確かに、ポセイドンのトリトン族に対する今までの姿勢には問題が多々あるが(防衛過剰とか)、それにしても、もうちょっと何か言うことないんか? この先、トリトンの行く末が心配になります。まるで、「社会が悪いんだ」とか言って犯罪起こす、今時の…げふんげふん

しかも戦い済んで陽が明けて、最後の台詞がこれですもん。

「そして、少年は旅立つ」

うわぁぁ〜! 旅立っていいのか、こいつ? 放っておいていいのか、こいつ?
しかし、最強のオリハルコンの剣はポセイドンの像と共倒れです。そういう意味ではトリトン族はめでたく、数千年来の念願を果たしたとも言えます。数千年もかかって、手を使えるようにしなかったとか、そもそも何で手が必要な物を作ったんだ、とか突っ込みところは数々ありますが、なんかめでたしめでたしなエンディングです。見ている方としては全然めでたくも何でもないんですが。

最後の最後まで、ピピがいてもいなくても、どっちでもいい存在だったのも気にかかるところです。原作だと、トリトン族はけっこうばかすか成長しますんで、後半になるとピピも子持ちだったりします。それぐらいの花があるキャラの方が良かったよね。トリトンもがきんちょのまんまだし。
実はいちばんの性悪はルカーかもしれません。ルカーがトリトンを漁村から引っ張り出さなければ、ポセイドン族はオリハルコンの剣に脅えつつも、もう数十年もしたら、トリトンも漁師として生を全うしてしまって、二度とオリハルコンの剣を使うやつも現れなかったわけですし…
それより、ポセイドンがあんなに執拗にトリトンを追わなければ、トリトンもピピも出会うことなく、オリハルコンの剣が使われることもなく、トリトンもピピも寿命を迎えてめでたしめでたしだったのでは…

やっぱり釈然としません。

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