監督:ギャレス=エドワーズ
出演:芹沢博士(渡辺謙)、フォード=ブロディ(アーロン・テイラー=ジョンソン)、ウィリアム=ステンツ司令長官(デヴィッド=ストラザーン)、ほか
見たところ:シネプレックス平塚
2014年、アメリカ
「
グッドナイト&グッドラック」主演のデヴィッド=ストラザーンさんがアメリカ側の司令官で出演しているという以外は価値のない
駄作です。
以下は公開中の映画につき、続きにしまっておきます。
順を追って話しましょう。
たきがは、ゴジラは嫁に行きたい怪獣のNo.1ですのでゴジラ映画もあれこれ見ておりますが、何と言っても好きなのは第1作、平田昭彦さんが今回の渡辺謙と同名の芹沢博士を演じ、志村喬さんまで出演されていた1954年の「
ゴジラ」です。まぁ、以降の怪獣映画、特にいわゆる平成版の「ゴジラ」映画はいろいろと見てはおりまして、お気楽極楽な怪獣映画の側面も嫌いではありませんが、むしろ、ゴジラがあれこれと破壊するのは好きでもありますが、でもゴジラの価値は何といっても第1作にあるのだと思ってますので今作のように怪獣映画としても反核映画としても中途半端な映画は
駄作だと言ってはばかりません。
今作の欠点はいくつかありますが、
・怪獣映画として中途半端・人間ドラマが長すぎるくせに先が読めるワンパターンな展開の2点に絞られると思います。
まず1点目。
怪獣映画ですから、観客が期待しているのは新しいゴジラ、それも1998年のださリメイクに出たようなゴジラがイグアナだったというトンデモ設定ではなく、オリジナルに近い姿形の新しいゴジラですから、そのゴジラと敵対する存在、人類だったり、今作ではムートーという怪獣との戦い、ぶっちゃけ、怪獣大戦でしょう。
え? 見たくない? それ、怪獣映画を見に行く必要ないですよね? ジャンルの選択、そもそも間違ってますよね?ところが今作、さんざんじらしてじらして、最初に登場したのムートーで、東京湾から飛来してきて、やって来ましたハワイ・オアフ島。そこで海底から現われたゴジラと観光地で相対峙するという、怪獣映画なのに、さんざん人間ドラマ見せられて、もういいわ〜とか思っていたのに、やっと2匹の怪獣が対峙したところで、津波だけは大ゲサだったものの、いきなり朝チュンで怪獣大戦をすっ飛ばします。
え?
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) (つд⊂)ゴシゴシ _, ._ (;゚ Д゚)わし、目を疑いました。
ここは繭から目覚め、放射能を吸収して生きているムートーという新しい怪獣が、おなじみの我らが怪獣王ゴジラと相対し、是が非でも実力を見せつけ、観客に怪獣映画ならではの醍醐味を味わわせ、後半へのさらなる盛り上がりを期待させなければいけないところです。大事なことなので大きく書きました。
そこを朝チュンですっ飛ばすとか、どういう脚本でしょうか。根本的に怪獣映画を理解しているとは思えません。
Wikipediaによると、ここの粗筋は「
両者はホノルル国際空港にて対決するも決着はつかず、ムートーは飛び去り、それを追うゴジラも海へ消える。」(リンク先は該当記事)となっていますが、どこで何を対決していたのか、説明できる人います?
もうこの時点で怪獣映画としての期待はだだ下がり、それ以前に、たきがはは「猿の惑星」の予告編を2回も見せられていたためだけとは思えないのですが、初登場したゴジラが鼻の穴をぷくっとふくらませた時点で、もう猿というか類人猿にしか見えず、テンションだだ下がりで、冒頭で述べましたようにデヴィッド=ストラザーンさん演ずる提督だけを楽しみにしとったんで、後の展開はもうこれっぽっちも期待しませんでした。ええ。
さて、海に消えたゴジラと飛び去ったムートーは、ネバダ州の核廃棄施設で目覚めたムートーの雌も加えて(最初のムートーは雄)1対2の決戦をサンフランシスコに移します。しかし、なにしろ人間ドラマが長いもんで、せっかくの怪獣大戦も終始、人間の視線で描かれるもんで、場面転換が激しいです。
しかも、さすがの怪獣王も1対2という戦いに苦戦させられたものの、主役(というか狂言回し)のフォードの機転でムートーの卵(この描写だけ気持ち悪くて良かったけど、主役がゴジラということを忘れてもらっては困る)を焼き払う(放射能を吸収する怪獣のくせに爆発とは言え、炎くらいで死ぬとかありなのかとか)という機転により、雄と雌が分離され、それまで雄は空を飛ぶというゴジラ唯一の弱点を武器に翻弄したものの、尻尾の一撃によりビルに叩きつけられて呆気なく昇天。
卵を失った雌も、特に凶暴化するわけでもなく、ゴジラの吐くブレスを口から直接ブチ込まれて呆気なく絶命。
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)(つд⊂)ゴシゴシ _, ._(;゚ Д゚) …?!(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ( д )(; Д ) !!戦い済んで翌朝、ゴジラは2匹の海獣と戦って真っ白な灰になったかと思いきや、単に寝過ごしていただけで、目を覚まして、また海へ帰っていきましたとさ。めでたしめでたし。
めでたくなんかあるか〜!!! (ノ`Д´)ノ彡┻━┻゛:∴で2番目の欠点は、フォードが妻子持ちという時点で見え見えです。というか、初っぱなのブロディ母が死んじゃったところは予想を裏切られたんですが、そのパターンをもう一度繰り返したら、今度は死なないよね、フォードも嫁も。
さらになぜ「芹沢」姓なのかわからないし、そもそも日本人である必要もない渡辺謙。だってほかに日本人出ないのよ? 冒頭の原発の事故だって日本(それも絶対にあり得ない首都圏)だけど、勤務してるの日本人だけじゃないし(日本人もいるけど、会話は英語と日本語のちゃんぽん)。あまつさえ、芹沢博士の父親が広島の原爆で亡くなっているという設定、ステンツ提督と話すシーンがあって、提督自身も父親が実はエノラ・ゲイに乗ってたらしくて、というシーンはカットされたそうですよ。
フォードとかどうでもいいから、そういうシーン削るなよ。わし、声を大にして言いたいですよ。削ったもんで、人間ドラマがただの無駄。フォード父のエピソードだって単に引き延ばしてるだけ。芹沢博士という専門家がいるのにフォード父要らねぇだろ?
「ゴジラ」の名を冠して、何が描きたかったのか、全てが中途半端だと思いました。ほんとに、
アメリカは「ゴジラ」に手を出さないでほしい。
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