忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

多毛留(たける)

米倉斉加年著。偕成社刊。

米倉斉加年さんが亡くなったと聞いて、大昔読んだなぁと思って、図書館で借りてきました。

わしは、こういう、繊細なタッチの絵は子どもの頃は好かんかったので、どんな話だったのか覚えてませんでしたが、読んでいたら、ああ〜と記憶が蘇ってきました。

奴津(なのつ。現在の博多)に阿羅志(あらし)という漁師がいた。18の時に物言わぬ乙女を連れ帰り、2人の間には多毛留という男の子が生まれた。乙女、多毛留の母は何もしゃべらず、おしだと思われていた。多毛留が15の時に2人の親子とおぼしき男が漂着した。すると母が多毛留の知らぬ言葉でしゃべり出し、2人を看病した。2人が母の家族であることを多毛留は理解した。しかし阿羅志は2人を「百済人!」と言ってもりを振り上げたので、多毛留は父を殺してしまう。異国の男2人は母と帰ろうとするが、母は多毛留とともに奴津に残ることを選ぶのだった。

「百済人」という言葉や、しゃべり出した母の挿絵にハングルが描かれているところ、後書きを見ると日本にとって近くて遠い朝鮮半島とのやりとりなのだとわかります。米倉さんは「自分の創作だ」と断っておられますが、似たようなシチュエーションはいくらでもあったろうと思います。それぐらい近い国です。けれど日本が植民地化し、大勢の人を駆り立て、殺し、その謝罪を行わないことによって、どこよりも遠い国でもあります。

悲しくて強い絵本だと思いました。

拍手[0回]

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン