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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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裸の歌うたい

やうちブラザーズ作詞・作曲・歌・演奏。

水俣が生んだローカルスター、やうちブラザーズの唯一っぽいアルバムです。

収録曲は

そばやさん
嫁げけ〜
私、後家トメ
ゴムバンドでエクササイズ
We Love My Mother
みぃ〜ちゃんのうた
Thank You Guy

です。個人的にはめめろんちょ(水俣弁でミミズのこと)を唄った歌も聴きたかったんですが、ほかの代表曲は網羅してますかね。あと、生着替えの時も楽曲つけてなかったっけ…

水俣にいた時に当然のようにファンになりまして、その濃ゆいメイクと水俣弁べたべたの歌詞が作り出す独自の世界観にべた惚れ。ライブにはせっせと通ったものです。

傑作「We Love My Mother」がいちばん好きなのですが、「私、後家トメ」の「目医者歯医者水光社」の歌詞も水俣あるあるで、「嫁げけ〜」の袋の描写も好きでした。

水俣は熊本県に属してますが、すぐ隣が鹿児島県ということもあり、両者の方言がミックスされた独特の水俣弁が好きでした。わし弁にはあんまり反映されてなかったりします。

実際に聴いてみたくなった人は、当ブログのリンクにある「やうちブラザーズ」のブログから行ってこい!

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感染家族

監督:イ=ミンジェ
出演:パク=マンドク(パク=イナン)、パク=ジュンゴル(チョン=ジェヨン)、パク=ミンゴル(キム=ナムギル)、パク=ヘゴル(イ=スギョン)、ナムジュ(オム=ジウォン)、チョンビ(チョン=ガラム)、ほか
見たところ:桜坂劇場
韓国、2019年

新感染 ファイナル・エクスプレス」に続く新たなゾンビ映画です。「クワイエット・ファミリー」のような乗りかと思ってましたが、あそこまでブラックな落ちではなく、さばさばした明るいエンディングでした。

忠清南道の片田舎、豊山里で寂れたガソリンスタンドを営むパク一家。ある日、一家の大黒柱、マンドクが見知らぬ男にかじられたことで運命は一変する。男は最近、話題になりつつある、HIB社のウィルス被験者だったが死亡し、ゾンビとして復活したのだ。ところがマンドクが若返ったことに目をつけた村人に後押しされる形で一家はゾンビこと、一人娘のヘゴルが命名したチョンビによる若返り商売で大金を得、マンドクはハワイへ旅行に、ガソリンスタンドは新しく建て替えられた。しかし、そう良いことばかりは続かぬもの、チョンビに噛まれた村人たちがゾンビになってしまい、一家は追いつめられる。だが正気を取り戻しつつあったチョンビの助けもあり、一家は村から脱出するが、無事に逃げたはずの長男のジュンゴルがゾンビになってしまっていた。そこに父のマンドクが帰国、最初にチョンビに噛まれたはずなのにゾンビになっていないマンドクにHIB社に勤めていた次男のミンゴルは希望を見出す。半年後、一家は長男の嫁ナムジュを筆頭に新たなビジネスを展開していた。マンドクをワクチンとするゾンビ解消サービスである。そのなかには無事に復活したジュンゴルや、人間に戻ったチョンビもいた。

という、出だしこそ「新感染」と似てましたが、その後の展開が爆笑もんでした。
まず一家5人のわりと自分勝手な性格が描かれます。ハワイ旅行を夢見るやもめの父さん、マンドク。気弱で嫁に頭が上がらず、違法な自動車修理業で何とか首を繋いでいる長男のジュンゴル。妊娠中であるにも関わらず(しかも臨月)、一家の精神的な大黒柱とも言える嫁のナムジュ。HIB社をクビになり、帰ってきた次男のミンゴル。ペットでもゾンビでも可愛がるものの、なぜか殺してばかりの末娘、ヘゴル。どいつもこいつも、おまえもかブルータスと言いたいような駄目人間で、そこのところが最初は笑いを誘うわけです。
しかし、そんな一家に降って湧いたのはゾンビによる若返りビジネスという一攫千金の機会。
いや〜、この発想、どっから来るんでしょ。ゾンビ映画といったら、お約束、うめき声をあげながら次々に人間を襲うシーンはありますが(後半特にてんこ盛り)、その前に若返らせるとか考えないでしょ。しかも、そのおかげで村中の人たち(主に男)がゾンビに感染してたもんで、あっという間にゾンビの里のできあがりとか、できすぎでしょ。でも、そこがいい。同じことをやっていたのではつまらないのだ。前の作品と比較されるだけなのだ。なのでミンゴルの調べにより、ゾンビ化を臭わせておいて、まず一段階(若返り)を挟む。そこが良かったです。
後半はゾンビ映画のお約束。町中がゾンビのバイオハザードな展開ですが、絆を強めた一家は力を合わせて脱出しようとします。ナムジュがとうとう産気づいてしまいましたからね。もっとも、そこら辺の展開はさくっと流したので義姉(と甥)を守らんと一人、チェーンソー片手に奮闘するヘゴルの見せ場でもありますが、その一方でジュンゴルとミンゴルがレッカー車を動かそうと奮闘しますが、ここで「着替えた時に忘れちゃった」車のキーを取りに戻るジュンゴルのうっかりっぷりは何かこの兄弟の力関係を端的に表しているような感じでした。兄の要領が悪く、気弱でいい人(ゾンビになった知人を蹴飛ばしておいて気遣うとか)っぷりを見て育ったミンゴルは、口先のうまい、要領のいい性格になったと推測します。ジュンゴルの人の良さはナムジュを嫁にもらってから、さらに拍車がかかったようで、気の強い嫁に完全に仕切られてる感じですけど、そこはナムジュに惚れてるお兄ちゃん、嬉々として従ってるところも多いんだろうなぁって思いました。ただ、産まれる前から「テバク」と命名されていた息子(だと思うんですが)の命名はジュンゴルに譲ったような感じでした。そういうポイントポイントを押さえておけば、夫のコントロールは間違いないみたいな。

ヘゴルはわりと表情の硬い娘さんでしたが、それも母が自分を産むのと引き換えに命を落としていると知ればこそ。また飼っているウサギをなぜか次々に死なせてしまっているからでもあったのでしょう。ただ、ヘゴルは冷たい子じゃなくて、ちゃんとウサギたちの墓を造ってあげているので優しい性格なんだと思います。そこに現れたのが不死のゾンビことチョンビ。しかも最初こそ薄汚かったけど、髪を切り、身なりを整えれば、けっこうなイケメン。家族みんなで焼き肉を食べ(鋏で肉を切っていたのでやはり普通らしい)、その席にチョンビも座らせれば、乙女心もときめいたのでしょう。ラスト、見事に娘婿に昇格したチョンビでしたが、そういや家族とかいなかったんでしょうか?

マンドク役のパク=イナンさん、だいぶ丸くなってましたが「クワイエット・ファミリー」でもお父さん役でした。「執行者」にも出てて、そういや死刑囚と仲良くなってったっけ…と蘇らす記憶。
ジュンゴル役のチョン=ジェヨンさんは「シルミド」でけっこう重要な役どころだったらしいんですが、アン=ソンギさんとソル=ギョングさん、ホ=ジュノさんしか覚えていないんだ… あれも見直したい映画ではありますが。
ミンゴル役のキム=ナムギルさんは未見。
ヘゴル役のイ=スギョンさんは「グッバイシングル」に出てたそうなんですが、あれもちゃんと見直したい映画なんですよねぇ。
ナムジュ役のオム=ジウォンさんは「スカーレットレター」に出てたのか… あれもハン=ソッキュ氏の主演映画で未見なんですよね〜

監督のイ=ミンジェさんはこれが第1作目だとか。この後が楽しみな監督さんですね!

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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スティング(再見)

監督:ジョージ・ロイ=ヒル
出演:ヘンリー=ゴンドーフ(ポール=ニューマン)、ジョニー=フッカー(ロバート=レッドフォード)、ドイル=ロネガン(ロバート=ショウ)、スナイダー警部補(チャールズ=ダーニング)、キッド=ツイスト(ハロルド=グールド)、J.J.(レイ=ウォルストン)、エディ=ニールズ(ジョン=ヘフマン)、ビリー(アイリーン=ブレナン)、エリー=キッド(ジャック=ケホー)、ルーサー=コールマン(ロバート=アール・ジョーンズ)、ロレッタ(ディミトラ=アーリス)、ほか
音楽:マーヴィン=ハムリッシュ
見たところ:シネマパレット
アメリカ、1973年

コメディ映画に分類されているようですが、わし的には大物ギャングのロネガンを伝説の詐欺師ゴンドーフが大がかりな芝居で引っかけるピカレスク・ロマンです。

アカデミー賞の主演男優賞にはロバート=レッドフォードがあげられてますが、どっちかという狂言廻しの役で、主役はゴンドーフの方だと思います。というか、主役を張るにはフッカーのガキっぷりがルーサーが殺されるまで鼻について好きになれないので、初っぱなこそだらしない(初登場シーンは高いびき。泥酔して二日酔いを水シャワーで覚ます。情婦の経営する屋内遊園地兼酒場でヒモ暮らし)ですが、後は尻上がりに格好良くなっていくゴンドーフのが絶対に魅力的だからです。だいたい、ルーサーの敵討ちということでロネガンを詐欺に仕掛けるきっかけとなったのはフッカーですが、それだって大金を手に入れて一晩で使っちまうというフッカーの軽はずみさがさっさとばれる原因でもあったりするので一応、フッカーの成長も描かれてはいますが、最後までゴンドーフが詐欺の仕掛け人の主役なもんで、フッカーの軽薄ぶりは主役ではないよなぁと思います。

あとはテーマ曲の軽妙な格好良さと、ゴンドーフの右腕ともいえるキッド=ツイスト、J.J.、エディ=ニールズの有能っぷりと、地味な食堂のウェイトレスと思わせておいて意外なロレッタの正体と、ダニのようにフッカーにつきまとうスナイダー警部補の古今東西を問わぬ嫌らしさと、そこまでも利用したゴンドーフの仕掛けを楽しみました。

で、この後はまた2本ほど空いて(「時計仕掛けのオレンジ」は1回見てるので何回も見たい映画ではないし、「テルマ&ルイーズ」は興味が湧かない)「レオン」までお休みです。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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砂の器

監督:野村芳太郎
原作:松本清張
脚本:橋本忍、山田洋次
音楽:芥川也寸志
出演:今西警部補(丹波哲郎)、和賀英良(加藤剛)、吉村刑事(森田健作)、今西の上司(稲葉義男)、高木理恵子(島田陽子)、田所佐知子(山口果林)、田所元大臣(佐分利信)、三木謙一(緒形拳)、本浦千代吉(加藤嘉)、毎朝新聞の記者(穂積隆信)、ひかり座の支配人(渥美清)、千代吉の知り合い(菅井きん)、新世界の商店街の組合長(殿山泰司)、三木の養子(松山省二)、羽後亀田の警察署長(山谷初男)、桐原小十郎(笠智衆)、本浦秀夫(春田和秀)、ほか
見たところ:シネマパレット
日本、1974年

筋は知ってるし原作も読んでますが、一回、映画館で見てみたかったので行ってきました。有名なんで粗筋も書きません。
点と線」で有名な松本清張の原作で、推理の仕方も1つずつ手がかりを追い、断たれてはまた次の手がかりといった地道な捜査が中心で、松本清張はいつもこんなだな〜と思って正直、前半はちょっとばかし退屈でした。
1970年代というと、わしもそろそろ俳優さんの顔と名前が一致してくる年代ですので、出る人出る人、見た見た!って感じで、そっちのがおもしろくて、森田健作と菅井きんさん以外の女優陣を除くと好きな系統の俳優さんばかりだったんで、この人がこの役だったんだ〜というのが特におもしろく、興味はそっちに流れてました。

しかし、クライマックス、この映画を原作より際立たせた父と子2人の放浪シーンに入りますと俄然、それまでうるさくさえ感じていた音楽が、ここに来て輝きを帯び、なくてはならぬものになり、涙が滂沱と溢れておりました。

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ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
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しかも、台詞1つなかった父と子の放浪シーンに続き、親子の恩人でありながら、被害者ともなってしまった三木謙一との出会いから台詞が入り始めまして、そのあいだあいだに狂言回しの今西警部補の解説が入り、硬い表情を見せていた秀夫が、父にだけ見せる笑顔、子どもらしい顔を見ていると、もう涙が止まらなくなってまして、このクライマックスのクライマックス、父と子の永劫の別れ(亀嵩駅で)になると、もうしゃくり上げるのをこらえるのに必死な状態でした。

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もうね、加藤嘉さんお一人にやられた感じです。もともとわしはこの方に大変弱く、「五辨の椿」での不遇のおとっつぁんのいい人オーラ全開なところなんか、もうそれだけで同情に値しちゃいますもんね! 逆にいい人オーラを抑え込んだ「八甲田山」の腹に一物ありそうな村長役なんかも好きだけどね!
監督も「この役は映画化の話が決まった時から加藤嘉さんに決まっている」と言ってるんで、加藤嘉さんあっての映画だなぁと思います。というか、ほかの誰にも務まらないです。後で何回もドラマ化されてますけど、キャストを見てもピンと来ません。ちなみに上の台詞は、実際には三木謙一を演じた緒形拳さんが監督に直談判に行った時に返されたそうで、緒形拳さんのおとっつぁんはだいぶイメージが違うかなぁと、わしは思いました。というか、緒形拳さんにそういうはかなさはない。演じた三木謙一の無類のいい人っぽさは伝わったけど。

というわけでラスト、和賀英良ならぬ本浦秀夫の逮捕を示唆しつつ、親子の旅路で幕を閉じますが、ほんとにこのシーンを作り出した脚本が凄いと思いましたが、どうも順番は逆で、映画化を熱望する清張に対し、脚本家はいまいちだと思ってて、でも親子の旅のところは気に入ってて、それでこの親子の旅のシーンを膨らましたようです(Wikiによる)。
また実際、この映画、なにしろ今西刑事があちこちに旅行します(仕事でだけど)。秋田(羽後亀田)、出雲(三木の巡査時代の足跡を追って本命の亀嵩へ)、石川(千代吉親子の足跡を追って)、大阪(秀夫の足跡を追って)と、今はなき食堂車なんかも描いて一種のロードムービーっぽくなってるのも、ちょっと退屈した一因かも。

そんな不満を払拭したのがクライマックスで、加藤嘉さんの放浪する日本の風景の特に厳しさと美しさは、この映画を傑作に押し上げているんだなぁと思いました。

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山椒大夫

監督:溝口健二
原作:森鴎外
出演:玉木(田中絹代)、厨子王(花柳善章)、安寿(香川京子)、山椒大夫(進藤英太郎)、太郎(河野秋武)、平正氏(清水将夫)、ほか
音楽:早坂文雄
見たところ:桜坂劇場
日本、1954年

有名な「安寿と厨子王」とかの森鴎外版が原作ですが、これまた監督の趣味で中世日本の奴隷制の悲劇とか解放とか入れたもんで、中途半端な筋になりました。成長し、丹後の国守になった厨子王が荘園からの奴隷解放を謳って、山椒大夫を逮捕させちゃうまではいいけど、ここで国守を辞めちゃったら、次に来た国守に「このお触れ、やっぱ取り消すわ」と言われたらそれで終わりだと思うんじゃが… いくら母恋しいからといって無責任に役下りるなと思うんですが…

あと、最初の方、親子3人が筑紫に流された父親を追って旅立つシーン、少々、文学的で眠気を催しました… zzz

山椒大夫の息子なのに、いい人な太郎は、どっかで見たことがあるようなないような…と思っていたら、「わが青春に悔なし」で糸川さんだったわ。だいぶ顔が四角くなった気がする。

山椒大夫の奴卑という環境に身を置いて、ちょっとぐれちゃった厨子王を妹が諫めるというのは、男というのは女の姉妹にはとことん弱い生き物なんだなぁと思いました。もっとも原作では二人とも子どもなんですけど、映画だと成人してるので、香川京子さんが妹ならさぞ張り切るだろうとかすけべ根性を起こしたのはここだけの話です。

ラスト、原作どおり、盲目となった母と再会する厨子王でしたが、最初、厨子王と名乗ったのに「もう自分をからかってくれるな」と母がすげなくするのは、リアリティがあるんですが、むしろ間延びした感じがしました。もう、ここまで来たら、母と子の再会でドラマチックに幕にしちゃえばいいのに!と思いました。そこら辺の蛇足感は「雨月物語」にも通じるところがなくはないですね。
最後、抱き合う玉木と厨子王を俯瞰して海を見せ、その沖合の島を見せ、津波で流された村の跡で片づけをする男を写し、そこまで来て、やっと幕というのはだいぶ、だらだら引きずった感が、わし的には満載でした。
まぁ、その前の奴卑解放が思いっきりだらついたんで、原作どおりにしておけば、もっとすっきりした映画になったろうなぁと思いますので、たぶん、今後、溝口健二は見ないと思います。むしろ、プログラムもらったら、全国のあちこちでいろんな組み合わせでかかるようで、そっちの方にもいろいろと興味のある映画がかかってたんですが、さすがに飛行機代は出したくないので行きません。個人的には成瀬巳喜男は「浮雲」やってほしかったけど。

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