監督:エリヨール=イシムハメドフ
出演:イブン=シーナ(バクチャル=ザキーロフ)、ほか
1982年、ソビエト
現在の医学の基礎を築いた、イスラムの学聖アリ=フセイン=イブン=シーナの若き日を描いた伝記物。
舞台がブハラ(ウズベキスタン)とかガズニ(アフガニスタン)など、完全にイスラム教圏の話なのに、登場人物がみんなロシア語(「ダー(はい)」「ニェット(いいえ)」「スパシーバ(ありがとう)」くらいのロシア語ならわかるんだぜ)を話しているのは、往年のハリウッド映画で、ナチスも古代ローマもみんな英語を話していたのと同じのりです。
少年時代、病に苦しむ母を救おうと埋葬される死者の腕を取って、咎められた話から始まり、ブハラに移住し、本を盛んに読む学者となり、様々な学問を究めていくと同時に、盲目のゾロアスター教の少女アイアナとの出逢いや、ブハラの王との出会いなんかをわりと淡々としたタッチで綴ったもの。西暦でも900年代とヨーロッパならば中世の時代、ペストに苦しむ人々を救おうとして、逆に無知に誤解されたり、王の健康を案じたり、一度は別れたアイアナと再会して、その目を治し、結婚したり、クライマックスはブハラが攻められ、たった一人で逃げ延び、その後、30年も諸国を放浪して、イスラムの学者への最高の称号である「学聖」をいただいたりはナレーションで語られてます。
ラスト、ブハラが襲われる時に砂漠の町には珍しい豪雨が降って、激しいガズニ軍の攻撃を暗示しているようなシーンはおもしろいなと思いました。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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