バベルの籠城 第３２話

次号から「車田水滸伝」で絵が高河ゆんって、REDのターゲットってどこにあるんだ？

サブタイトルは「芽吹く幽鬼」です。表紙も自分の攻撃に喰われる幽鬼と、それに驚く大作とヒィッツカラルドです。

前号のラストで大作とヒィッツカラルドを劉備のもとに行かせるため、死を覚悟した幽鬼。一話おきに十傑衆と九大天王が一人ずつ倒れるという怒濤の展開が続いておりまして、このまま十傑衆も九大天王もいなくなってしまった日には、どんなに寂しくなっちゃうんだろうと思うと先行きが心配になりますが、恐ろしいくらい潔い消費っぷりです。

「幽鬼が死ねば済む」と言った幽鬼が選択したのは自分で自分の攻撃を受けることでした。
驚いて駆け寄るヒィッツカラルド（というか、そもそもOVAのヒィッツさんはそんな仲間意識にあふれるようなことはしそうになかったので、そのギャップも気に入っているんですが）に「これでいい」と答えた幽鬼は周りを見るように言いました。

すると、かつて１０年前のバベルの籠城の時に九大天王が手も足も出なかった孔明の奇門遁甲の陣で作られた世界が崩壊し始めていたのでした。
この世界では他者に向けた攻撃は自分に跳ね返るという強者ほどやばい特性がありますが、自分への攻撃は世界に跳ね返り、孔明の罠を打ち崩してしまうのだそうです。
それで毒のために時間がない大作と、彼を守るヒィッツカラルドをこの罠から解放するために幽鬼が死を選んだわけなのですが、問題が１つ。幽鬼とともに奇門遁甲の陣に閉じ込められた三獄死の一人、超雲子龍も解放されてしまうのです。
で、それを聞いた超雲は「ワシらは労せずして　ここから出られる」と高みの見物を決め込みますが、ヒィッツさんが超雲に攻撃しようとします。あ〜　それは自分に返るわけじゃないかな、ヒィッツさん？
すかさず、彼を止める幽鬼。
奇門遁甲の陣を崩したからといって、すぐそこに劉備がいるわけではありません。奴はライセともども、バベルの塔の最下層にいるはずであり、彼らを守る扉の堅固さは十傑衆である幽鬼は知り抜いています。まぁ、本当ならば、BF団の皆さんには本拠地だったはずなんで国際警察連合から守るべく堅固に作ったら、ライセに奪われちゃったもんで困ったことになってるわけで…　たぶん、その指揮をとった孔明も死んじゃったわけで…　しかも今頃はライセに脳の解析されてる真っ最中なわけで…　ぶっちゃけ、BF団の皆さんとしては、国際警察連合の頭領・草間大作を守るために行動するという不本意な日々を過ごしているわけで…
でも幽鬼は言います。「何人たりとも破れぬバベルの扉」を「くぐり抜けることが出来るのは…　お前の指の最後の一手！！」つまり、他の十傑衆の皆さんのように、ヒィッツカラルドにも最後の一手があるというわけです。ただ、基本的に、その内容はお互いに秘密だったようで、ヒィッツさん、「お前が何故それを！？」と狼狽えてますが、考えてみたら、OVAの設定では幽鬼はテレパシーの持ち主で、そのために他人の心がのぞけて人間不信になったのをカワラザキのじいさまに助けられてBF団に入ったとありますんで、ヒィッツさんに限らず、全員の技を知っていてもおかしくはありませんが、そこは礼儀でもって黙っていたとか、そういう落ちになりそうですが、幽鬼が言うにはヒィッツさんは「分かり易い」ので普段からバレバレだったようですよ。
もっともヒィッツさんは「こんな時にからかうな！！」と怒ってるんで、どこまで本当か不明なわけですが…
でも律儀に謝っちゃった幽鬼、「そのかわりに　あいつは俺が仕留める」と断言します。大技、次々に炸裂です。
そして超雲に聞かれないように、幽鬼はヒィッツカラルドの頭に直接、何かを伝えたんですが、ヒィッツさんの台詞から、それが幽鬼の命をかけた大技の内容とわかるのでした。

こうして奇門遁甲の陣を崩したために幽鬼は絶命します。その命と引き換えに大作、ヒィッツカラルド、超雲は解放され、孔明の頭はなぜか血を吐き（死んでいるのではなかったのか？　そのうちに孔明がしゃべり出す日も近い？）、ライセと劉備も孔明の術が破られたことを知ります。

ライセは自分の力をもってしてもバベルの扉が破れないことに苛立っていますが、劉備は余裕しゃくしゃく。
三獄死の中でも超雲子龍が最強だと言ってます。

一方、その超雲、瓦礫の下から無事に逃れます。OVAですと「青い瞳の銀鈴」のフェダインがまんま超雲なんで馴染みのある顔ですが、こっちは鎧兜に身を固めているんで、「三国志」の超雲なんですけどね。
幽鬼が自らを攻撃するために生み出した触手をふんづけて「礼を言わねば」とか言っちゃう超雲。
いつの間にか辺りは星空が見えるような時間になっており、そこにきらめく塵に幽鬼が消えていくと思い込んでます。今までの展開から幽鬼が超雲を倒すための罠を仕掛けたのは明らかですが、三獄死にも登場が短いもんで思い入れが少ないから、まぁ、さっさと倒されろやボケぐらいな感想（←ひどい）しか出てこないんですけど…

ううむ…　下手にライセとか新勢力を作って人気の「三国志」キャラを消費するより、国際警察連合対BF団という構図で、その間で暗躍する「三国志」勢…　やっぱりOVAで登場してないんで思い入れがないんですよね〜　横山先生の漫画でも別に「三国志」が格別好きなわけではないもんで…　そもそもたきがはは三国志が好きじゃないんで…　そうなると「横山オールスター」と言われる本作ですが、そもそも「三国志」無理に出さなくても良かったんじゃとか思いました。どっちにしても後期の代表作「徳川家康」とかに代表されるような時代物のキャラも出そうにないですしね。十傑衆と九大天王に一人も「三国志」勢が加わらなかった時点で、孔明いるんだし、無理に出す必要もなかったような…　とか思わなくもありませんが、わしは基本的にロボ＆大作が活躍してくれればオッケーぎゅうな人なんで、今の展開でもおもしろいです。てへぺろ

さて、大作とヒィッツカラルドの行方を捜す超雲ですが、元が豪傑ですんで、いちいち瓦礫を掘り出すなどという小物臭い真似はしません。ぱんぴーと置き換えてもいいです。

それを瓦礫の下から見守るヒィッツカラルドと大作の目の前で、瓦礫を吸い込む超雲。なんつー悪食。

ヒィッツカラルドは最初、何が起きたのかわかりませんでしたが、超雲がそこら中の瓦礫を吸い込んだもので、その力に驚きます。驚くだけで、それほど強くは見えませんが、劉備が「三獄死の誰もかなわない」とか言ってたけどなぁ…

と思っていると、姿を現してしまった大作とヒィッツカラルド。超雲に見つけられて、ヒィッツさんはすかさず指ぱっちんを放ちますが、直撃だと思った攻撃は何と！　超雲に喰われてしまいました！

しかも超雲は逃げようとした大作から万里の壁も吸い込みます。

十傑衆の皆さんは三獄死と戦うことで弱かったように思われていたのが復権しましたが（だから十常寺は死んでないってばよ）、九大天王は大作を守るバリヤーになっちゃったもんでいまいち強さが物足りません。壁になる直前はライセに手も足も出なかったし、まぁ、前作「地球が燃え尽きる日」では活躍が多かったけど、十傑衆ばりの相手は少なかったんで、九大天王の凄さって、いまいちよくわからないような…

そして、ヒィッツさんまで、その力ごと吸い込もうとする超雲。
うーん、この能力ってロボやライセとは違うのけ？　逆に違いがよくわからないんですが、幽鬼さんが「倒す」って言ってるんで、ロボやライセの劣化と考えてもいいのかも…

ヒィッツさんは大作を庇いますが、一見、不利そうに見えて、幽鬼の最後の言葉を受け取ったヒィッツさん、「てめェは既に幽鬼が片付けてんだよ！！」と突然、悪役顔です。このヒィッツさん、いい顔！

そして、超雲の身体を突き破って、幽鬼の触手が伸びてきました。最後の一手が発動したようです。

ヒィッツさんは超雲にやられる振りをして、幽鬼の技が発動するのを待っていたのでした。いかしますね、相変わらず。

そして、触手の一部が破れて、幽鬼の顔（といっても植物の一部なんで、木に顔でもついたみたいな感じ。エントか！）が現われます。

「これが幽鬼の死に様だ！！」と宣言したところで以下次号！

相変わらず、ヒィッツさんが男を上げすぎていていいですね。でも、それもいずれヒィッツさんが大技使う時の布石なんだと思うと、次々にキャラが倒されていくのは寂しいです。

そうだ、三獄死はもう噛ませイヌなんだと思おう。それがいい。

• ジャイアントロボ
• CM(1)
• 2013/11/23 Sat.