監督:黒澤明
原作:ドストエフスキー
出演:那須妙子(原節子)、亀田欽司(森雅之)、赤間伝吉(三船敏郎)、大野綾子(久我美子)、大野(志村喬)、大野里子(東山千栄子)、香山睦郎(千秋実)、香山孝子(千石規子)、軽部(左卜全)、香山順平(高堂国典)、香山薫(井上大助)、東畑(柳永二郎)、ほか
音楽:早坂文雄
1951年、日本
原節子さんの那須妙子が好きなもんで、わし的には黒澤映画でいちばん好きな映画です(最高傑作は「七人の侍」当然!)。どこら辺が好きかと言うと、少女(作中で14歳くらいと語りあり)の頃から権力者の囲い者になって、女性として辛酸をなめ尽くしてきたはずの女性ですが、亀田の無垢な思いに触れた妙子は「こんな赤ちゃんみたいな人を不幸せにはできません」と言って、本当は誰よりも亀田を愛している、というか、その魂に触れることで誰よりも癒されたいと思っていただろうに、自分と一緒にいれば亀田を犠牲にしてしまうと思って、敢えて身を引き、亀田には自分の理想の女性と(クライマックスまで)思い込んでいた綾子と結びつけようと画策する自己犠牲なところなんかが原節子さんの高貴さと相まってもろにわし好みなのでした。
なもんで、クライマックス、妙子と綾子という、実に対照的な2人の女性がついに正面切って向かい合うシーンの緊迫感なんかがいちばん好きだったりします。
いいですな。
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