今まで再生しかできなかったDVDがドライブを変えたらメニューまで見られてひゃっはーで喜んで見直しました。
もう冒頭からジェイコブに感情移入して見てるのでラストの大どんでん返しは涙涙ですし、途中の嘘をついたり重ねたり、リーナの心配をしたり、キルシュバウム先生に頼ったり、とそのたんびにはらはらしたり、笑ったり、心配したりしてました。
なにしろ、わしの好きな映画ではヒーローがいないというのが異色じゃないかと思うんですけど、それでもニュースを求めてドイツ兵専用のトイレに籠もったジェイコブの窮地を助けるために馬鹿っぽい歌を唄いだしたコワルスキーや、リーナのことをジェイコブに頼まれて恋人のローザともども走るミーシャ、「皆殺し」とあだ名される冷徹な指揮官ハートローフの心臓病を癒すのを断って毒をあおるキルシュバウム先生、10歳ながら勇気と知恵を持ったリーナの4人は、ジェイコブともども、やっぱりヒーローだと思いました。もう、その勇気が愛おしい。
かといってジェイコブに「ラジオがない」と真実を言われて自殺しちゃったサミュエルや、わりと自分勝手なフランクフルターが魅力がないかと言われれば、これまた人間くささ全開なところが好きだったりして、何一つ希望のない時代に、それでも明日に命を繋ごうとして、ジェイコブの嘘に耳傾け、精一杯生きていこうとする登場人物たちが大好きで、その頂点に主人公であるジェイコブがいるんだなぁと思います。
実際のところ、そんなゲットーはなかったかもしれないし、そんなに都合良く助けられたユダヤ人もいなかったかもしれない。でも、全てをドイツ人に奪われて、たった1つ残ったユーモアだけは失わせまいとする、この映画全編を貫く精神はどんな時もわしの支えになって、信条になってくれているように思います。
そして自ら命を絶ってしまったロビンさん自身にも、ラスト、殺されてしまったジェイコブが重なっていくのです。
ありがとう、ロビンさん。あなたのことは忘れない。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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