監督:アンリ=コルピ
出演:テレーズ=ラングロワ(アリダ=ヴァリ)、浮浪者(ジョルジュ=ウィルソン)、ほか
フランス、1961年
前からタイトルと大まかな筋だけ知ってたので見てみました。2019年お正月の映画祭りのラストです。「風と共に去りぬ」もかかってたんだけどDVDあるし、見なかった…
パリの街角でカフェを営むテレーズの前に現れた浮浪者の男は、16年前にゲシュタポに連れ去られ、行方不明のまま戻ってこない夫のアルベールに似ているように思われた。だが彼は記憶喪失のままで、テレーズは彼を招待して、アルベールの好物を並べ、好きだったオペラのレコードを流して記憶を取り戻させようとするが…。
フランスの人が、ふつうに「オペラは忘れない」とか言ってたり、オペラの歌曲を口ずさんだりできるのが、敷居の高いわしには文化の違いなんだなぁと思いました。まぁ、歌謡曲を聴くのと同じぐらいの頻度でオペラを聴くのがフランス人なのだなと。
で、「歌手」とあだ名される浮浪者の男性も、「セビリアの理髪師」の一曲を口ずさんでいたりするわけです。日本ならさしずめ演歌どころか浪曲とか歌舞伎とか口ずさんでるレベル。歌舞伎で唄を唄うのか知りませんが。
そんな彼が16年前から行方不明の夫に似ているというんで、テレーズさん、あの手この手で彼の記憶を取り戻させようとしますが、ラスト、拙速だったなぁと思いました。もうちょっと思いやりをもっても良かったと思うんですけど、そうさせなかったのが16年間という月日であり、ゆえに「かくも長き不在」というタイトルになるのだろうなと。
切ない恋物語でした。さすがのフランス映画。
作中で「人知れぬ涙(言わずと知れたたきがは魂のアニメーション「
ジャイアントロボ〜The Animation〜地球が静止する日」にて流れる「バシュタールの惨劇」に使われてた曲)」が流れた時には元ネタを知ってるだけに噴き出しそうになりつつ、曲調はわりと悲嘆って感じもするもんですから、テレーズがアルベールを思って流した「人知れぬ涙」という感じがしなくもなかったです。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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