埴谷雄高著。講談社刊。全2巻?
ネットで調べたら第9章まであるらしく、この本は6章で終わってるのでまだ続きがありそうな感じです。
相変わらず、三輪与志、首猛夫、黒川健吉、三輪高志が観念的なことを話し続けている2巻目です。
作中では黒川健吉が三輪与志が考えていることを、さも高尚な風に津田夫人(三輪与志の婚約者・津田安寿子の母親)に語ったりしてますけど、稼ぎ頭の父親も亡く、兄は寝たきりの病人、母親は専業主婦な家庭で、まともに働かずに考えてるだけでよく食っていけるなぁと思うと、恵まれた家庭なんですネ。
それを言ったら首猛夫も黒川健吉も労働者ではないっぽく、彼らの言う「革命」って誰のためなんでしょうかネ。
あと、三輪高志が語った元恋人の死にまつわる過去話以外は、全部空想の話だということがわかったので、読む方もだいぶ気楽になりました。そういうところが高く評価されたらしい小説なんですが、わしは作中の津田夫人並みの俗物なんで、登場人物たちが語ってることが理解できませんが、津田夫人ばりに自分にわかるようにかみ砕いちゃって無理クリ理解しようとも思わないので、スルーです ┐(´ー`)┌ ←こんな心境。
比喩とか暗喩が大量に使われていて、ただの川上りが壮大な光のページェントを遡る過程になってしまうところなんかはすごいと思いました(←一応褒めてるつもり)。ただ、橋の形を描写する「伏せた兜の形に似た」という文句が何度も出てくるの、くどいなぁとも感じました。
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