茨木のり子著。宮崎治編。花神社刊。
「りゅうりぇんれんの物語」を読みたくて借りてきました。あとはパラ見して返そうかと思ったんですが、「韓国現代詩選」がなかなか良かったので全部読みましたが、詩集はあんまり読まないので…
ほかに良かったのは「うしろめたい拍手」「くりかえしのうた」でした。夫を追悼した詩は著者が生前には未発表でしたが、「全詩集」とのことで発表はしたけど著作にも入れなかった詩と合わせて甥だという編者が入れたものなので、甘ったるく、べたべたな感じでした。まぁ、仲良しな夫婦だったのは伝わったけど、良かった3本の詩に比べると批判性は皆無でした。おのろけと言ってもいいでしょう。やっぱり、著者が「出したくない」と言ったものは出しちゃいけないのだと、最初に「編者あとがき」を読んで思いました。これには山本周五郎さんが生前は単行本に収めなかった小説(主に戦前の)を死後、新潮社などがばんばん出しているのを見るにつけ、そのレベルの低さを知ってるので、やっぱりなぁという感じです。著者にしてみれば不本意な「全詩集」なんだと思います。
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