中里介山著。ちくま文庫だと全20巻。
青空文庫にあったので手持ちぶさたな時に読み続けてます。青空文庫だと「〜の巻」でファイルが分けられて40ぐらいあるのですが、ただいま14部「お銀様の巻」まで来ました。
前に
映画も見たのですが、新撰組が出ていたので驚いていたら、もともとこの話、幕末が始まりだったんですね。現在はほとんど出てきませんが。
ただ、だんだん主人公の机竜之介は登場しなくなり(まったく登場しない部もあり)、芸人や竜之介を仇と狙う若武者、竜之介にかつて祖父(父だっけ?)を斬られた娘、あくどい旗本、きれいな旗本、訳ありの泥棒だの、町医者だの、小悪党だの悪女だの、もう、ありとあらゆる人物の登場で大群像劇になってきました。犬まで主要な人物に数えられるとか、何でもありです。
いまのところ、あんまり頭は良くないし、背丈は子ども並みだけど槍の名手の宇治山田の米友がけっこういいキャラで気に入ってます。わりと鉄牛ぽいという…
しかし幼なじみのお君が身分違いの恋にぼうぼうに燃え上がっちゃってるんで、その忠犬ムクとともにどうなるやら…
だいたい登場人物で「めでたし」で退場した人物がいまのところ皆無なんで、まぁ、酔っぱらいの道庵先生(町医者)はそれなりに幸せそうですが…
竜之介も失明したり、甲府で辻斬りやったりしてますが、この人、妙に女性にもてるもんで、最初の嫁は切り捨て、2番目の女に先立たれ、3番目だけしっかりしてたのと短かったので害をなさず、今は悪徳旗本・神尾主膳と婚約しそうになったけど家宝の刀を取り上げられたことを知って逃げ出し、たまたま竜之介の居場所に閉じ込められていたので竜之介とかその他大勢>(越えられない壁)>神尾主膳となっちゃった富豪の娘・お銀様(部のタイトルロール)になつかれてますが、この人も薄命に終わるんじゃろうか… 子どものころに顔に火傷をしたため、かなりへその曲がった性格になっちゃってますが、悪い人ではないんですけど、それを言ったら、竜之介の嫁は全部悪い人じゃなかったんで… 典型的な悪女のお絹は神尾主膳に鞍替えしたっぽいし…
作者の死とともに未完に終わった上、話の方向性もこの後、大乗仏教に向かったりと迷走してるようなんですけど、けっこうおもしろいので読み続けるつもりです。
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