監督:ルキノ=ヴィスコンティ
出演:ジーノ(マッシモ=ジロッティ)、ジョバンナ(クララ=カラマイ)、ブラガーナ(ファン=デ・ランダ)、スペイン(エリオ=マルクッツォ)、刑事(ヴィットリオ=ドゥーゼ)、ほか
原作:ジェームズ・M=ケイン
イタリア、1942年
どうもジャック=ニコルソン主演の映画と勘違いしていたくさいです。主役のカップルが不倫をして旦那を殺すという筋書きなんですが、「
死刑台のエレベーター」の方は同情してたのに、こっちはあんまり同情しなかったのは、行き当たりばったりっぽい犯罪に見えたからかも。
流れ者のジーノは、たまたま立ち寄った片田舎のレストランを経営するブラガーナに食事代と引き換えに雇われることになる。だが強権的なブラガーナに若い妻のジョバンナは嫌気がさしており、ジーノと逃げることを考えるが、一度貧しい暮らしをしていた記憶のために決断できず、失意のジーノはブラガーナの家を出る。電車に無賃乗車をしていたジーノは、スペインと名乗る旅芸人に乗車賃を払ってもらい、その相棒となるが、カーニバルの最中にブラガーナとジョバンナに再会し、ともに帰ることにする。ただし、その帰途、ブラガーナを事故に見せかけて殺すために。ジーノはブラガーナの店に居続けることを嫌がるが、ジョバンナはなかなか承諾しない。そのうちにブラガーナが保険金をかけていたことを知ってジョバンナは受け取りにミラノに出るが、「これで店を大きくできる」と言うジョバンナにジーノは嫌気がさした上、警察につけられていたことを知ってジョバンナが密告したと疑う。だがブラガーナの死に不審を抱いた警察にジーノはマークされており、ジョバンナへの誤解も解けたジーノは、今度は2人で逃げ出そうと決心する。しかし途中で本物の事故を起こしてしまい、ジョバンナは死んでしまい、ジーノも警察に逮捕されるのだった。
ブラガーナというおっさんは、確かにケチなんですが、金もあるし、店も持ってるしと貧乏のどん底生活を体験したジョバンナには逃したくない金づるだったようで、でも、いい加減に夫との生活が嫌になってて、ベッドも別だし、お帰りのキスも嫌だし、とうとう男をすげ替えればいいやとか考えちゃったのが発端です。
ただ、一応、事故死ということで夫を殺したジョバンナでしたが、ジーノが「ブラガーナのにおいがする家は嫌だ」というのを最終盤まで理解せず、これで自分の生活は安定とか思い込んじゃったのが問題で、しかもジーノというのは根っからの流れ者でして、貧乏な暮らしも平気だけど、たぶん、女とのつき合いもその場その場で、ジョバンナだけ何でそんなに入れ込んだのかわからないくらいで、そこら辺が行き当たりばったりに見えました。
で、最後までタイトルの「郵便配達」が登場しなかったのでググってみたら、もともとタイトルが決まらない状態で売り込んでいた作者が、やっと採用が決まって「タイトルは何だ?」と雑誌社に聞かれて、雑誌社からの回答を持ってくる郵便配達が2度ベルを鳴らすというので、そういうタイトルなんだそうです。へぇ。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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