手塚治虫著。少年チャンピオンコミックスエクストラ。全4巻。
いつの時代か、どの場所かもわからない世界にグロマンとククリットという2つの王国があった。2つの王国は長く続く戦争に嫌気がさし、互いに王子と王女を交換して平和を約束しあったがククリットはグロマンに占領された。それから16年後、ククリットの貴族に育てられたグロマンの王女エミヤを巡る物語。
なんですが、途中までエミヤが考えなしの馬鹿娘で、それなのに3人の男性に思いを寄せられているというハーレム状態なことに加えて、タイムスリップとか出てきちゃうわ、最後は強引な力業で収めて、手塚治虫の漫画にしては凡作かなという印象です。
手塚漫画は、わしはわりとヒロインが好きになることが多いんですが(「
ハトよ天まで」「火の鳥 望郷編」とか)、この漫画はヒロインが駄目でした。かといってヒーロー属性のタンバラ=ガイがいいかと言われると、これもあんまり… おっさん好きとしてはルンペンのジンバさんとか良かったですが第2巻で消えちゃうしね。
ただ、第2巻でジンバと修行中のエミヤに、ククリット人が元はニッポン人だったという話が出たあたりで疑問符がつき始め、ガイの弟のブンレツが登場した辺りでSFちっくというか、タイムパラドックスというかになり始め、最後の落ちにいたってはずいぶん力業で収めたなぁと思ったのですわい。
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