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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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黒水仙

監督:ペ=チャンホ
出演:オ刑事(イ=ジョンジェ)、ファン=ソク(アン=ソンギ)、ジヘ(イ=ミヨン)、ドンジュ(チョン=ジュノ)、マノ(カン=ソンジン)、ダルス(イ=ギヨン)、ほか
2001年、韓国

昔に見た映画をまた見たくなってレンタルしてきますた。ラブストーリーかドラマのジャンルだと思っていたら、アクションに分類されていたけど、何か間違ってないかつたや?

50年間転向せずに独房に閉じ込められていたファン=ソクが釈放された。その翌日、麻薬中毒のダルスという男が殺され、担当になったオ刑事は事件を追ううちに、朝鮮戦争にまつわるある男女が辿った悲劇的な運命を知っていくのだった…。

オ刑事が主役かと思いきや、ラストはアン=ソンギさんが美味しいところをかっさらっていくので、主役はソクとジヘのカップルと考えた方が良いようです。オ刑事は案内人ちゅうか狂言回しちゅうところ。
まぁ、彼が見つけた写真によって、最初の犠牲者ダルスの素性が知れ、持っていた写真に載っていた残り2人(ドンジュとマノ)の行方がわかり、ようやくジヘとソクが登場、物語はジヘの手記から一気に朝鮮戦争に跳びます。
労働党、つまり北側に協力するジヘのスパイ名が「黒水仙」、タイトル・ロールです。彼女は収容所に入れられた北側の捕虜たちを脱走させる手伝いをしていましたが、それがばれてソクとともに捕虜たちと隠れることになります。ダルスは南側で、自警団ちゅう感じのちんぴらです。ソクは元々はジヘの家で働く小作人の子でしたが、子どもの頃から彼女への思慕を抱いており、労働党のために働くようになったジヘも穏やかで芯の通ったソクを憎からず思うようになりますが、その活動がばれたことで恋人たちの運命は悲劇を辿ります。
でも手記はそこまでで、ソクはつい最近釈放されたファン=ソクだとわかりますが、ソクが犯人とも考えづらいところなのです。
そこで第二の事件が起こり、ドンジュが捕まった時に警察署長だったキムという男が殺されます。その犯人を偶然突き止めたオ刑事でしたが、銃撃戦の末に犯人を射殺してしまい、真相は闇の中へ。
しかし、韓国中のソン=ジヘに当たって、当のジヘを捜し出したジヘに会い、手記の続きを知ります。
ドンジュとマノはダルスの幼なじみでしたが、北側の兵士で捕虜になってました。ドンジュが隊長格。
しかし、いつまでも隠れた小学校の下から逃げ出せず、マノは仲間を裏切り、密告、ジヘ、ソク、ドンジュ以外は銃殺されてしまいます。3人は井戸から山に逃げ込みますが、ドンジュがそのうちに切れて、2人を道連れに自決しようとしたところ、ソクが囮になって2人を逃しますが、ソクは捕まり、ドンジュも自首してジヘを売り、3人とも捕まってしまいます。しかし、ドンジュはジヘに財産を手放し、ダルスに身を売るように迫り、ソクを助けるために承諾するジヘ。
その後、ダルスとともに捕虜収容所のあった巨済島を離れたジヘは、ダルスから逃れるために自殺未遂をはかり、生き延びたものの盲目となっていました。
オ刑事はジヘの話から1952年に死んだと言われたドンジュが生き延びていることを察し、墓を暴いて、死体がないことを知ります。その後、ダルスが生前会ったとした相手が宮崎県の市議・前田慎太郎と名乗る人物だったことを突き止め、宮崎県に飛ぶのです。
宮崎で前田慎太郎ことドンジュに会うオ刑事でしたが、ドンジュはオ刑事を買収しようとし、できないとわかると発砲して逃れます。しかし銃弾チョッキを着ていたオ刑事はドンジュを追いますが、ドンジュは「自分が犯人ではない」と言い残して自殺してしまい、捜査は行き詰まってしまいました。
そこへソクが「犯行を自供した」とニュースになりますが、謎の人物から「ソクは犯人ではない」と電話が入り、送られてきたのはダルス殺しに使われたナイフの鞘だったのです。さらに謎の人物はソクをソウル駅に連れてこい、従わなければ大量殺人を予告します。警察は多くの捜査官を投入して張り込みますが、オ刑事の電話にまた連絡が入って、ソクを一人で列車に乗せるよう言うのでした。
電話の声から謎の人物の居場所を推理したオ刑事はソウル駅の屋根に登ります。そこには声を変えて電話をするジヘがおり、彼女は盲目になっていなかったのでした。
2つの殺人事件は自分がプロに依頼したと言うジヘ。
彼女の話には続きがあり、釈放されたと思っていたソクが、実は彼女の罪を負って50年間も閉じ込められていたことを知り、自分たちを弄んだダルスたちへの恨みが彼女に殺人を犯させたのでした。
銃を向けるジヘに狙撃班が発砲、ジヘは屋根から墜落してしまいます。
恐らくジヘは即死でしょうが、救急隊員が彼女を救急車に乗せようとやってきますと、「誰も彼女にさわるな!」と叫んで現れたのはソクでした。
ソクは彼女を抱き上げ、歩き出します。子どもの頃、雨の日にジヘを迎えに行って、抱いて水たまりを越えたように、「あなたが死んだら自分も生きてはいない」と誓ったように。

と長々と話を書いてしまいましたが、わしはアン=ソンギさんが好きなので回想シーンのなんちゃって20代も、釈放されてからのおじいちゃんも、ラストの格好良さも楽しんで見ておりましたが、ソクという人物、一本芯は通っているのでジヘが好きになる理由もわかるのですが、思想的には何もなかったりするのでした(50年も転向しなかったのも単にジヘの身を案じてだと思われます)。そして、死を偽装して日本に逃げたドンジュや、ドンジュたちを裏切ったマノ、そもそも権力の手先だったダルスなんかは小悪党になってしまい、朝鮮戦争という題材にしては、それぞれの人物像はえらい小さかったりします。
ただ、日本ロケが観光地に偏っていたり、ドンジュ役のチョン=ジュノ氏の日本語はいまいちでリアリティに欠け、死を偽装するなら何も日本にまで逃げなくても釜山辺りでいいんじゃなかろうかと思ったりという欠点とかを考えますと、これは朝鮮戦争に端を発した推理調のメロドラマという感じでいいんじゃないかと思ったりするのでした。

と、キャストとかを調べて、「中途半端」という意見を見たので、思った次第。単に俺の好みという話も。

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