青空文庫。
もしかしたら太宰治の最大の長編じゃあるまいかと思いながら読んでました。いや〜、長いよ、これ。
鎌倉幕府を開いた源頼朝から数えて三代目、源氏の最後の征夷大将軍となった源実朝の姿を、側近の若者が忍ぶ感じで語る歴史物。
長いのは1つには「吾妻鏡」が原文で挿入されて、その後で、その事柄を側近が思い返しているためもあるんですが、この語りが冗長なんですが、この冗長さが太宰だよ… 実朝の「滅びの美」とも言える姿を褒めて褒めて持ち上げる語りが実にくどいです。でも、このくどさが太宰… (´・ω・`)
「
斜陽」読んだ時も思いましたが、こういう自虐的なキャラって、「人間失格」の葉蔵=作者自身を投影している感が大変強いです。これが1943年の作だってんだから、戦時中もこの人は作家であり続けていたんだなぁと思いました。山本周五郎さんもそうだけどね!
ラスト、実朝の死は原文のままで終了。「人間失格」に通じる読後感… (´・ω・`)
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