監督:実相寺昭雄
出演:加藤保憲(嶋田久作)、渋沢栄一(勝新太郎)、辰宮洋一郎(石田純一)、目方恵子(原田美枝子)、辰宮由佳里(姿晴香)、幸田露伴(高橋幸治)、平井保昌(平幹二郎)、寺田寅彦(寺泉憲)、黒田茂丸(桂三枝)、泉鏡花(板東玉三郎)、西村真琴(西村晃)、早川徳次(宍戸錠)、鳴滝順一(佐野史郎)、大河内正敏(寺田農)、織田完之(大滝秀治)、森鴎外(中村嘉葎雄)、目方新(島田正吾)、ほか
日本映画がまだ映画として華やかであった頃の名残のようなキャスティングであります。今、これだけのメンツ揃えようったって、揃うものじゃありません。豪華キャスティングとはこういうことを言うのじゃ〜!と言いたいような、超豪華なキャスティングです。
ビデオを見ていたら、洋画ばっかりだったんで、たまには日本映画を見たくなって引っ張りだしてきました。
ちなみにたきがはは
加藤保憲くんのファンです。もう、彼の野望のためだったら、
帝都の1つや2つぶっ壊したってええやんけ〜(←ひどい)と思いながら映画を見、原作本を読んでいましたが、原作では角川春樹が登場したところで興醒めした覚えがあります。いくら角川文庫だからって、そこまで露骨に太鼓持ちせんでも…と思った記憶があります。ので、原作本は借りて読んだっきり、二度と手を出しておりません。いやね、加藤保憲くんが怨霊の集合体とかってのがまだ良かったですよ。討ち滅ぼしても討ち滅ぼしても蘇ってくる怨霊。もう、ジェイソンばりに蘇っては、ばりばり呪術を放ちまくって、そのたんびに撃退するってワンパターンな話でもたきがははきっと喜んで見に行ったでしょう。いや、加藤くんの正体があれもんでこれもんてどうよ、ておちも好きではなかったので、まだ余韻を残した映画のが好きだったりします。なんちゅうても、加藤くんを演ずる嶋田久作氏の存在感の強いこと強いこと、このために、嶋田久作氏はこの後、何をやっても「あ、加藤くんだ」と言われる羽目になったと思いますが、まさに一世一代のはまり役と言ってもいいでしょう。だいたい、加藤保憲くんを「くん」呼ばわりする奴はなかなかおらんでしょうが。もう、あのまま破壊と怨念の権化であってほしかったですよ、わしは。
で、加藤くんに対する目方恵子(対決の時点では辰宮洋一郎の妻になってますんで、辰宮恵子となってますが)を演ずる原田美枝子さんが、その前か後に見た「乱」の悪女ぶりはどこへやら、まさに黒田茂丸が言うところの「菩薩」って感じで、女優さんとはこんなに化けるものなのだなぁと妙なところで感心したのも良い思い出です。
そう言えば、この映画は、たきがはが見た、最初で最後の試写会だったりします。あんまりおもしろかったんで、友だちを誘ってわざわざ見に行ったぐらいですよ。その頃から加藤くんのファンなんですが。
けっこう有名な話だと思いますんで、いまさらあらすじは書きませんが、最近、東尾修の娘とくっついて、なんだかんだと賑わせた石田純一がこんなところで重要な役をやっているのがなかなか印象に強かったり。でも、設定では実の妹と
近親相姦しちゃってるキャラというのが、何となくスキャンダルまみれの人には似合うなとか思ったり。わしもすれた見方をするようになったものよ。
久々に見直したら、最初の方にしか出てこない大滝秀治さんが、軍人相手に「ここは軍部じゃないんだから」って啖呵切ってるのが格好良かったな〜 ぴゅ〜ぴゅ〜♪ たきがはは大滝秀治さんのファンでもあります。
また、勝新はさすがに加藤くんを差し置いて、トップに名前が出るだけあり、大物って感じだな〜と思いました。台詞は聞き取りにくかったけどな。
さらには、「
黄金の日日」で信長としてわしを魅了してくれた高橋幸治さんが、幸田露伴役というのも美味しいところ。あんまり役に立ってなかったけど! いいんだよ、作家なんだから!
西村晃さんが実父の役で出演というのも記憶に新しいところでありますよ。わしは「水戸黄門」はこの人の役がいちばん品があって良かったと思ってるんですが、うちの母に言わせると、西村晃さんは悪役のイメージが強いそうです。
さて、こうなると続編「帝都大戦」も見ねばなりませんが、平将門の声で飯塚昭三さん(「
ジャイアントロボ The Animation 〜地球が静止する日」の鉄牛や、「
特効野郎Aチーム」のコング!)が出てたんだって! 要チェックでございますよ! しかし、考えてみたら、特撮物の悪役でもならす飯塚さんのこと、この「帝都物語」の将門役もそうだったのではなかろうか。
20年ぐらい前の作なんで、テープの状態も悪い上、ノーカットでもないので、次に見たくなったら、DVDとかBDを考える所存。
例によってネットで検索しとったら、アニメにもなってたそうですな。当然、加藤くんは嶋田久作氏以外にはありえません! これは要チェックかもしれませんな。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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