文春新書。草野双人著。
たきがはは道ばたで見かけるたくさんの草花の名前を知りたいと思うことがよくあります。セイタカアワダチソウ、タンポポ、オミナエシ、スズメノテッポウ、オオバコ、こんなところはまだわかりますが、わしは全部の草花の名前を知りたいのです。あの薄くて鋭い葉を持っている草はなんというのだろう。麦のような穂をつけた草はなんというのだろう。知れば、それらは雑草ではなくなります。雑草というのは、人間のつけた傲慢な名前にすぎません。十把一絡げに語る、その他大勢という名前でさえありません。
だから、図書館でこの本を見つけた時はタイムリーと思いましたが、残念ながら、わしの期待していたような草花の図鑑ではありませんでした。
第一に、わしが名前も姿も知ってる草花が半分を占めていました。
第二に、草花についての蘊蓄はまだ許容範囲なんですが、草花から連想する、かといってなんか関係があるわけじゃない雑学の蘊蓄は不要なものでした。
まぁ、新書、それも文藝春秋の新書ですから、期待したわしが馬鹿だったということです。
この本は、タイトルは仰々しいですが、草花の名前や姿を楽しむというより、それも雑学の一部として楽しむ、ぶっちゃけ、雑草の名前なんか知らなくたって問題ないし、知ろうとするだけいいでしょ、的な趣向の読者に向いています。
わしのように、道ばたに生えている草花の名前を全部知りたいなぁ、と思ってる人種には全く向きません。素直に草花図鑑でも読んでなさいってこった。
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