ハヤカワ文庫。大原まり子著。
めくるめくイメージのワンダーランド。SFというより、センス・オブ・ワンダーと呼んだ方が正しい。あるいはSFとセンス・オブ・ワンダーとは同じものを指す言葉だったのか。
「未来視たち」で描かれたクローンの一族、シノハラの末裔が出ていたり、鮮やかな極彩色の世界が描く未来。
人類が死に絶えても、なお生き延びることのできるサンプルB群たち。不滅の機械帝国と戦うために作られた半人半機械の1体が逃亡の旅に出た。どんな生物のサンプルも取り込んで己の身体を作り替えられるサンプルB群。最初は人に、次は愛玩動物に、次は母に殺された少女に。けれど、己の意志で逃げ出したサンプルB群は、それだけの力がありながら、その後は状況に流されながら、ほとんど自分から行動することなく、逃げていく。
有機体と無機体の融合、雑種(ハイブリッド)の子どもたち。それは進化の果てに人が見る究極の生命体だろうか、それとも…。
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