上橋菜穂子著。偕成社。
「精霊の守り人」の続編。
生まれ故郷に帰ったバルサ。殺された父とともに逃げた養父。二人の死の裏にある大それた陰謀に立ち向かう。
今回もバルサがかっこええです〜。自分のために国で安泰だった地位も捨てねばならず、辛い放浪の旅に出た養父ジグロとの思い出、タイトル「闇の守り人」の意外な正体。国の存亡に関わる陰謀。
運命なんて過去に対する言い訳、と言って、敢然と立ち向かうバルサ。そんな彼女を助ける叔母、一族の人びと、異種の人びと、上杉さんという方は、この世界の裏にある背景を出すのがお上手で、さらりさらりと惜しみなく明かされる手の内、そこかしこに散りばめられたこの世界ならではのエッセンス、見事なストーリーテリングです。
わくわくしながらページをめくり、ですが、物語が大団円に近づいていくのがわかった時、また、なんと鮮やかに幕を引かれることか。物語にはいつまでもその世界にひたっていたいものもあるのですが、どんな物語にも終わりがあり、その占め方の格好いいこと!
まだ正伝が3冊、外伝が1冊あるそうです。それまではもう少し、この物語の世界の余韻を味わうのもいいものです。
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