C.S.ルイス著。瀬田貞二訳。岩波少年文庫刊。ナルニア国ものがたり4。
いじめられっ子の少女ジルと、その友人ユースチスは、いじめっ子から逃げだそうとしてナルニアへ行く。そこは年老いた王となったカスピアンが、王子をさらわれ、望みを失っていた。ジルとユースチスはアスランに命じられ、リリアン王子救出の旅に北方へ発つ。
というわけで新キャラ登場です。スーザンやルーシィがわりと品行方正な娘たちだったのに比べて、ジルはいじめられっ子で、ちょっとすねた感じです。ユースチスも前巻で更正したとはいえ、変わり者ではあるようなので、この2人の冒険が正当に進むわけがありません。さらに、ここに今作でもっとも魅力的な沼人、泥足にがえもん(いつもながら、このセンス!)が加わり、アスランの命で動き出したのに、なんかあっちの方向へ冒険は進みます。
いや〜、泥足にがえもん氏、いいキャラですわ〜 へそ曲がりなようで、3人の中でいちばん真摯に行動し、リリアン王子を捕らえた魔女との戦いでも、最後まで魔女に抵抗してみせました。いいです、にがえもん。ナルニア国にはわりと品行方正なキャラが多いのですが、一癖もふた癖もあるにがえもんは魅力的です。
逆に、カスピアンはすっかり年寄りになってしまって、お后も失ったし、王子も行方不明だし、いいところなし。
対して、アスランは最初と最後にしか登場しません。しかし、途中で、アスランが今回の事態を何千年も前に予測し、その布石を打っておいたのではないかという話が出て、ますますスケールアップです。
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