C.S.ルイス著。瀬田貞二訳。岩波少年文庫刊。ナルニア国ものがたり3。
好きではない従兄弟のユースチスの家へ泊まりに行くことになったエドマンドとルーシィ。だが、ルーシィに与えられた部屋に飾られた絵から3人はナルニアへ行き、東の海へ航海に向かうカスピアン王に再会する。東の果てには何があるのだろうか?
なじみの4人のうち、ピーターとスーザンはお役ご免です。ピーターは最終巻に出てくるようですが、スーザンは本当におしまいらしいです。
代わりに冒険に加わるのは、4人の従兄弟、ユースチス。しかしこれが変わり者の嫌らしい少年で、エドマンドやカスピアンの足を引っ張ったりします。でもそこは子ども向けの面目躍如ってもので、ユースチスが自分勝手な行動から竜になってしまった辺りで方向転換、アスランの助力もあり、人間に戻ったユースチスは、好ましい少年に変わっていくのでした。
しかし、今回はなんといってもネズミの勇者、リーピチープ。どんな人間よりも勇敢で騎士らしい騎士で、名誉を重んじる好漢です。しかも60cmもあるネズミだって。カピバラの間違いか? ネズミです。騎士らしく無鉄砲なところもありますが、ユースチスにしっぽを引っ張られて決闘を申し込まんとしたところから人間を喰ったキャラで大活躍。いいキャラだ、リーピチープ。
前巻でナルニアの王座に就いたカスピアンですが、リーピチープだの、ユースチスだの、エドマンドやルーシィまで登場するにいたっては、あんまり個性がありません。王様なんだけど。そして、今回も登場のライオンのアスランになると、より神々しさが増した感じで、ますます謎めいた存在になってきました。
[0回]
PR