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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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秘曲 笑傲江湖 第2巻

金庸著。岡崎由美監修。小島瑞紀訳。徳間書店刊。全7巻。

風雲急を告げる第2巻です。サブタイトルは「幻の旋律」とあるように、シリーズ全体のタイトル、笑傲江湖が、実は劉正風と曲洋によって作られた簫と琴の楽曲であることが語られますが、この2人、前巻で逃げる際に嵩山派の費彬(ひひん)によって深傷を負わされており、快活なところが魅力的だった曲洋の孫娘、曲非烟ともども死んでしまいます。曲非烟は費彬に殺されます。しかし、費彬自身も、劉正風の兄弟子である衡山派の総師、莫大先生に殺されまして、一連の出来事をたまたま目撃したのが儀琳の看病で療養中だった主人公、令狐冲だったのでした。亡くなる際に劉正風と曲洋は、名曲、笑傲江湖が失われることを惜しんで令狐冲に託すことで、以下、令狐冲は数々の難事件に巻き込まれていくわけです。

そういうわけで、前巻がわりといろいろな人物、各派の大物・小物が入り乱れる展開だったのに比べて、今巻は令狐冲が話の中心でほとんど崋山から動きません。
まずは師匠や弟弟子ともども崋山に帰った令狐冲、儀琳を助けるためだったとはいえ、尼僧を罵倒したことや悪漢、田伯光と懇ろに酒を飲み交わしたことなどを咎められて、1年間、崋山の山頂に籠もりきりで修行をするという罰を受けることになります。1巻ではわりと颯爽と登場し、あだ名の「君子剣」に相応しい言動と風格を備えていた令狐冲の師匠であり、崋山派の総師でもある岳不羣(がくふぐん)ですが、3巻でも読み進めた現在、だんだんけつの穴の小ささを露呈していて、果たして復権するのか非常に疑問です… まぁ、令狐冲も豪放磊落な人物なんで、良くいや小さなことにこだわらないし、悪くいや大ざっぱな性格なもんですから、「君子剣」などと呼ばれて、大旦那みたく構えた師匠には可愛い一番弟子でも気に入らないところがあったのかもしれませんけど、それもそれで器の小ささが知れるので…

で、修行を始めた令狐冲ですが、まだまだそれほど強いわけではない上、なぜか師の娘、岳霊珊(がくれいさん)に首ったけなもんで、いろいろと雑念に囚われて、修行一筋とはいきません。ただ、残念なことに、令狐冲が惚れ込んでる岳霊珊が、曲非烟ほどにも魅力的じゃないもんで、惚れてしまえばあばたもえくぼなのか、令狐冲はそもそも孤児で岳夫妻が親代わりなので、インプリンティングのごとく、身近にいた岳霊珊に惚れただけなのか、と思ってしまうぐらい、岳霊珊、ただの恵まれた小娘にしか見えず、まぁ、令狐冲もそれほどできた人物というわけでもないので、可愛いだけの小娘に惚れたのかもしれませんけど、岳霊珊が、だんだん林平之(りんへいし)と仲良くなっていって嫉妬に狂い、修行も捗らないという展開は少々、退屈でした。

ところが崋山派もいろいろとありまして、現在の岳不羣が気功派で、かつて剣術派の一派と争いになり、剣術派を一掃してたことがあって、そういうところは令狐冲以下は知らないわけです。でも崋山の岩穴の奥に、その秘密が隠されていて、偶然、のぞいてしまった令狐冲、そうでなくても岳霊珊のことで胸が一杯なのに、自分がいままで信奉してきた崋山派も破られると知って、まだ気もそぞろ、全然、修行になりません。

しかも、そこに悪党、田伯光が登場、何が何でも令狐冲を下山させたいと言い出し、令狐冲も師の命に背くわけにはいかないと意地を張り、でも腕前ではとうてい田伯光にはかないませんから、口八丁手八丁で逃れようとします。
そこに岳不羣の伯父弟子にあたる風清揚が登場、本来ならば学んではいけない剣術派の極意、秘剣、独狐九剣を令狐冲に教えることで、令狐冲はさらなる疑いを師からかけられることも知らないで、とりあえず目先に田伯光を撃退するのでした。

しかし、今度は敵か味方かもわからないどころか、その目撃も不明な桃谷六仙と称する6兄弟が現れ、令狐冲をさらっていきます。ただ、腕は滅法たつけど、おつむの回転がさっぱりな桃谷六仙、令狐冲にいいように丸め込まれて崋山にとんぼ返りしますが、これまた不審人物の登場だっていうんで、令狐冲の言い分も聞かぬうちから岳夫妻によって敵と見なされ、いったん退場しますけど、桃谷六仙の勝手気まま(でも善意から)な気を注がれた令狐冲は3巻になってもまだ治ってない深傷を負うのでした。

さらに生き残っていた崋山派の剣術派が登場、あちこちに首を突っ込みたがる(前巻の劉正風の引退を止めたり)嵩山派の総師で五剣嶽派の盟主でもある左冷禅の威も借りて、岳不羣から崋山派の総師の座を奪い取ろうと乗り込んできます。
これは首を突っ込んだ桃谷六仙のせいもあって撃退しますが、左冷禅の真意を確かめるべく、嵩山に向かった崋山派の一行、今度は正体不明のならず者に襲われ、これを撃退したところで次巻に続きます。

まぁ、こうして書いてみると人物も各派が入り乱れてごちゃごちゃになってますけど、令狐冲を中心に話は進むのでそんなに混乱はしないです。
ただ、武林中から軽蔑されているという悪漢、田伯光が、令狐冲との約束を深傷を負っても守って侠気を上げるのに対して、岳不羣が株を落としているので、3巻ではさらに落ちるので、この先、どうなるのか、令狐冲はどうなるのか、目が離せない展開になってきました。

次巻ではまた登場人物ががらっと変わっているので、引き続き、風雲急を告げる展開になりそうです。

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