監督:モルテン・ティルドゥム
出演:アラン=チューリング(ベネディクト=カンバーバッチ)、ジョーン=クラーク(キーラ=ナイトレイ)、ヒュー(マシュー=グッド)、ピーター(マシュー=ビアード)、ジョン(アレン=リーチ)、刑事(ロリー=キニア)、デニストン中佐(チャールズ=ダンス)、ミンギス少将(マーク=ストロング)、ほか
アメリカ・イギリス、2014年
タイトルのとおり、第二次世界大戦中、ドイツ軍によって使われた暗号エニグマと、その解読に挑んだ天才数学者アラン=チューリングの話です。GYAO!で無料で見られるってんで、さくっと見てみました。
1939年、ドイツ軍の暗号エニグマを解読すべく集められた数学者アラン=チューリングほか5人の男たちはイギリス海軍中佐デニストンの命令下、チームを結成させられる。天才ゆえに周囲を見下し、一人、暗号解読機の製作に励むチューリングをデニストンは外そうとするが、チューリングは逆にチャーチル首相に訴え、チームのリーダーとなって新たなメンバー、ジョーンを加え、解読に励むが、毎日変えられ、159000000000000000000通りもの答えが考えられるエニグマに機械が追いつけない。業を煮やしたデニストン中佐はチューリングを解雇し、機械も破壊しようとするがヒューらの総辞職の訴えにより、1ヶ月の期限が設けられる。期限が迫るなか、ジョーンの同僚ヘレンの言葉にヒントを見出したチューリングはついにエニグマの解読に成功するが、その事実は軍に伏せられた。ドイツ軍に知られれば、せっかく解読したエニグマを変更され、元の木阿弥となるからだ。やがて戦争は連合軍の勝利に終わるが、それから6年後、同性愛者のチューリングは強制わいせつ罪で有罪の判決が下されていた…。
エニグマの解読がクライマックスかと思ったら、どうやらアラン=チューリングという人物を描くのが主題だったらしく、その死と、彼の発明した機械が現在のコンピュータの元となっていることや、エニグマの解読が戦争を2年縮め、1400万の人命を救ったという大賛辞で終わってました。うーん、最後のところはそこまで負わせちゃうのかとも思うんですが…
あと、暗号といいますと、わしなんかは真っ先に「踊る人形」が思い浮かぶんですけど、解読のきっかけになったヘレンの言葉とか、ちょっと単純すぎたような… ほんとに誰も解けない最強の暗号だったのかよと思っちゃいますよね、あんなヒントだと。
Wikiでは初代のエニグマがポーランドの数学者によって、すでに解決されて、ドイツ軍がこれに対抗してさらに数を上げたんで、最初から159×10の18乗もあったわけではないそうです。そして、ポーランドでは改良エニグマを解くためにかける時間も金もなかったため(真っ先に攻め込まれたから)、イギリスが引き継いだようで、道理でエニグマ暗号機を提出したのがポーランドだったわけですわい。そういや、ポーランド亡命政府がロンドンにあったけど、あれは共産党じゃなかったから、ワルシャワ蜂起で赤軍に見殺しにされたんでした…
結局、チューリングの作った解読機はコンピュータお得意の総当たりというやつで、でも可能性が多すぎて計算が速くても間に合わなかったようです。
で、1939〜45年のエニグマ解読中のチューリングと、1928年の学生時代のチューリングと、1951年の現代のチューリングが交互に描かれ、過去の話は1951年、泥棒に入られたチューリングが参考人かなんかで警察にしょっぴかれて、そこで話していたもののようでしたが、ちょっと退屈でしたけど、チューリングの生涯を描こうとするのであれば、さにあらんな展開でした。
イギリスでも1967年までは同性愛は犯罪だったそうで、チューリングは1954年に41歳の若さで死去(自殺説が有力)、2013年までその名誉は回復されませんでした。となると、この映画はチューリングの名誉回復とその功績を知らしめるためなんだろうなぁと思った次第。
ジョンがいい奴だと思ってたら、後ろめたさゆえだったのかとか思いましたが、まぁまぁ、おもしろかったです。でも2回は見ない。
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