上橋菜穂子著。理論社。
心優しい和風ファンタジー。
不思議な力を持つ小夜は産婆の祖母と二人暮らし。12歳のある夜、1匹の傷ついた狐の野火を助け、とある屋敷に閉じ込められたような形で暮らす小春丸と出逢う。それから4年が過ぎた時、小夜はそれまで知らなかった己の素性と向き合い、この国の世継ぎと水場を巡る争いに巻き込まれていく。
特に時代は決めていないとのことなので、日本によく似た里の物語、とも読めます。ただ呪者という魔法使いの存在や、あわいという「守り人」シリーズのもう1つの世界に似た設定などが上橋さんならでは。
しかし、悪役ではあるのだけれど、仕える主人のために寿命を縮め、最後は殺されてしまった久那の存在が「道具」の末路として象徴的で、それだけに印象的でした。
読んでて、凛々しい眼差しの野火とか、芯のしっかりした小夜とか、まるで宮崎アニメのようで、そこらへん、あんまり好きになれません。
上橋さん、読破しちゃったなぁ。次は誰のを読んだものか。
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