原田正純著。フレーベル刊。
絶版になっていた本の復刻版。子ども向けの本のためか、主に小児性、胎児性の患者さんたちが中心に描かれている。
胎児性患者の一人、坂本しのぶさんが中心となって、水俣に当時、上り調子だった石川さゆりを招いてコンサートを行ったことはたきがはも知っている。しかし、あの石原慎太郎(当時、環境庁長官だった)がそれに手を貸していたとは知らなんだ。どの面下げて、「この人たちは知能が低いんだろう」と決めつけた胎児性の患者さんたちに手を貸したのか。そんなんで免罪になると思うなよ。おまえの罪はもっと重いんだからな、なんて思ったぞ。
その胎児性患者さんたちも40歳を越えた。あと50年もしたら、水俣病の患者さんたちは日本からはいなくなってしまうが、世界には似たような場所がいくつかあるそうだ。過ちを繰り返し続ける人間の愚かさ、原爆でも水銀中毒でも世界に先駆けておきながら、何ら有効な手を打てない日本という国の認識の狭さを思う。
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