ディルク=ライナルツ、クリスティアン・グラーフ=フォン・クロッコフ著。石井正人訳。大月書店刊。
副題は「ドイツ強制収容所跡の写真集」です。
掲載されているのはドイツのダッハウ、エムスラント、ザクセンハウゼン、ブーヘンヴァルト、ノイエンガンメ、フロッセンビュルク、ラーフェンスブリュック、オーストリアのマウトハウゼン、フランスのナッツヴァイラー、ベルギーのブレーンドンク、オランダのヘルツォーゲンブッシュ、ヴェスターボルク、チェコのテレージエンシュタット、テレージエンシュタットの小要塞、ポーランドのシュトゥットホーフ、クルムホーフ(ヘウムノ)、グロス=ローゼン、ルブリーン・マイダネク、トレブリンカ、ベルゼク(ベウジェツ)、ソビブル、アウシュヴィッツⅠ、アウシュヴィッツⅡ・ビルケナウ、ミッテルバウ=ドーラ、ベルゲン=ベルゼンと著名なところはほぼ全部です。
収容所の残り方もほぼ完全にナチスが隠蔽したトレブリンカや、博物館としてほぼ完全な形で残る(それでも焼却所などは破壊されてる)アウシュヴィッツなど、状態は様々なので、トレブリンカはただ森の中とプラットフォームのように見えますが、そこで何があったか知っている者には明らかなことで、アウシュヴィッツなどではガス室だったり、囚人たちのバラックだったりと実に様々なものが写されてます。
その序文にニーメラー牧師の有名な言葉があったのでメモしときました。あと、ラストにそれぞれの収容所の大まかな位置を載せた地図と、それぞれの収容所の概要の解説、参考文献など。
想像してみてください。その収容所に自分が入れられた時のことを。
人がその想像力を失ってしまった時、このような収容所はまた現れるでしょう。ナチスは決して特別な存在ではないのです。
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