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何を思ったか、いきなり山本周五郎3冊読み。

「柳橋物語・昔もいまも」
タイトルの2作を収めた中篇。初めて読んだ時にぼろ泣きして、電車の中だったもんで、ずいぶん恥ずかしかった記憶があるが、今回はそれほどでもなく、すれたのかなぁ、と寂しかった。
しかし「柳橋物語」はやはり良い。平凡な町娘、おせんちゃんをこれでもか、これでもか、と襲う様々な出来事。恋に恋する年頃だったおせんちゃんは、それほど好きでもなかった男に「待っていてくれるか」と言われて、うっかり頷いたのが運の尽き、ほんとに好きだったのは誰か、そのことに気づくまで、作者の仕掛ける物語はおせんちゃんをどんどんしんどい方へ向かわせる。でもラスト、血のつながっていない子どもを「自分の子だ」と言えるようになったおせんちゃんに、ささやかな幸せを喜ぶ、周五郎さんお得意の江戸の庶民の逞しさを見るのだ。
「昔もいまも」は実直さだけが取り柄の、ぐずな男の恋物語。

「生きている源八」
死後の刊行だけあって、つまらない。母曰く「本人が出さなかった小説がおもしろいはずがない」。デビュー直後の講談調の話が多いかな。短編集。しょっぱなの話は、「樅の木は残った」の原田甲斐に通じるところがあって、そこだけおもしろかった。

「ひとごろし」
これも短編集。タイトルは物騒だが、周五郎さんが得意とする滑稽物。「忠臣蔵」も「荒木又右衛門」も飽きたら、こんな仇討ちはいかがか。いや、そういう人は周五郎さんのみたいな、ほんとの庶民の話には手を出さんかな。
ちなみに母は時代劇は周五郎さんの小説しか読まない。藤沢周平も池波正太郎も好きじゃない。江戸の、庶民の雰囲気を味わいたかったらお薦めする。ここにはエリートも英雄もいない。

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