R・A=ラファティ著。伊藤典夫・浅倉久志訳。ハヤカワ文庫刊。
引き続きラファティさんの短編・中編集です。
「大河の千の岸辺」という話がとても良かったです。ただ、わしが良かったと思う博物誌的な興味をさんざんに誘うところはこの話の主要なテーマではなく、落ちにいたってはどうでもいいのですが、まぁ、そんな読み方もありでしょう。
「ゴールデン・トラバント」はスピッツの名曲「TRABANT」を思い出しましたが、金の塊の衛星(つまりゴールデン・トラバント)の話であんまり関係なく。
「そして、わが名は」はラファティさんの話としては何か異色な感じがしました。言葉を知らないんだけど、万物の霊長である人間が何物でもなく言葉を失うというラストは、何からしくないなぁと思いました。と言えるほどラファティさんの話を読んだわけではないのですが何となく。
また見つけたら読んでみようと思いますが、予約していたハンナ=アーレントの「イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」が来たはずなので、しばらく短編はお預け…
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