永山則夫著。河出書房新社刊。
未成年のうちに4人の強盗殺人を犯し、死刑にされてしまった永山則夫氏の著作です。実はちゃんと読んだことがなかったので手に取ってみまして、「第7回死刑映画週間」を見に行くのに電車の中と昼飯とカフェで読んでました。
表題作のほかに「破流(はる)」を収録してます。
時間的には「捨て子ごっこ」→「破流」なんですけど、どっちも著者の実体験に基づく話のようで、読んでてしんどかったです。
「捨て子ごっこ」が未就学児、「破流」は中学生です。
精神的にも物理的にも追い詰められていくというか、作中で「N」で表された永山氏だけではなく、姉や母親、兄たちと同じ立場に立たされたら、自分もどうなっているのかわからないです。それぐらい辛いです。永山則夫氏の犯した犯罪を肯定するものではありませんが、彼を絞首刑で殺してしまうことは、やっぱりしてほしくなかったと思いました。
同じ立場に置かれた人びとが同じような犯罪を犯すわけではない、という言い方はずっと恵まれた立場にいる者が言ってはいけないと思います。
いい機会なのでいろいろと読んでみようと思いました。
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