朝日文庫刊。河村湊・成田龍一ほか。「いま、戦争を考える」シリーズ。
例によって1999年の対談をさも新刊ぽくまとめた1冊。しかし、新章を追加した辺りなんかは他の作に比べれば、まだ良心的だと思う。それにしても、どの本も「いま、戦争を考える」のではなく、過去に考えたのが主体になってるのが、このシリーズ・タイトルつけるのが何だかなだ。こんなんで商売成り立つと思ってる朝日文庫の良識を疑うよ、と言ったら言い過ぎか。
中身はけっこうおもしろかった。いわゆる日本の戦争文学について、いろいろな視点からぶった切り。それぞれの視点と、著者の視点がおもしろかった。読んでない本もけっこうある。
いわゆる戦記物にたきがはは食指が動かない。「父の戦記」のような、ノスタルジー色の強いのが多いから。あと、「あの時代も悪いものじゃなかった」とか「日本軍の全てが悪いわけじゃない」みたいな話は聞いてもしょうがないと思う。わしはあの戦争で何が行われたかをきちんと知りたいのであって、そういう言い訳めいたものには興味がない。
閑話休題。
ので、おいおいに。
それはそれとして、井上ひさし氏の「父と暮らせば」とか、古処誠二氏の諸作とか、対談相手の著作を持ってきて持ち上げるのは白けるからやめてほしい。
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