監督・原作:ニコラス=レイ
出演:ジム(ジェームズ=ディーン)、ジュディ(ナタリー=ウッド)、プラトン(サル=ミネオ)、レイ(エドワード=プラット)、ジムの父(ジム=バッカス)、ジムの母(アン=ドーラン)、ほか
1955年、アメリカ
ジミーことジェームズ=ディーンの代表作。
泥酔して警察に連行されたジムは、夜間外出で補導されたジュディや、仔犬を撃って注意されたプラトンと知り合う。ジムの一家は最近、この町に越してきたばかりだったが、何度も引っ越しをしていた。ハイスクールに登校したジムは、不良グループのバズたちに絡まれ、夜にチキンレースをすることを約束してしまう。ジムは「腰抜け」と言われることが何よりも我慢できなかったのだ。だが、チキンレースで難を逃れたジムに対し、バズは車から逃げられずに転落死し、集まっていた不良少年たちは逃げ出す。家に帰ったジムは、事件を警察に打ち明けようとするが、事なかれ主義の両親は、彼に警察に行かぬように言うのみだった…。
「理由なき」ってタイトルなんですが、まぁ、主要な3人であるジム、ジュディ、プラトンそれぞれに、反抗の理由ってのはあるわけです。ジムは父が不甲斐ない(でも警察で少年係のレイに「父さんとは友だちになれると思う」と言っているので嫌いなわけではない)こと、ジュディは父が冷たいこと、プラトンは両親がいないことや学校で孤独なことなんかです。
特にジムの場合は、ジムが何かやらかしたり、近所で何か揉めるたびに両親が引っ越してばかりいるもんで、なかなか友だちができず、新しい学校でも孤立しそうになってるわけです。
でも、最初は「何かおもしろいことねぇかな」ぐらいの乗りでバズたち不良グループに絡まれたものの、バズとナイフで対等に渡り合ったジムをバズは気に入ったらしく、ラジオに音楽までリクエストしちゃう厚遇っぷり。ところが、そのバズは、ジムとのチキンレース(崖に向かって車を走らせ、先に車から降りた方が腰抜けという度胸試し)で車から逃げ出せずに死んでしまい、逆にジムの孤立を深めてしまうという皮肉です。しかし、バズたちに受け入れられたところでジムの味わっている「理由なき反抗」は解消するわけではないのですが。
プラトンの場合はもっと深刻で、すでに仔犬を撃つという暴挙に出ているのに、それを止める大人が周りにいません。両親は家に居着かず、ばあやのみ。結果、銃を持ちっぱなしのプラトンは、ジムが不良たちに追われてるってんで、銃を持ってジムを追いかけ、でも、最後はジムたちだけじゃなく、不良たちも隠れ家に来たもので、3人の家出少年少女の捜索願に警察まで動き出してしまい、警察に殺されてしまいます(防御過剰な気もしますが、アメリカの警官はこんなものか…)。そして、彼はジムとジュディを両親に見立てていたのですから、そもそもジムと対等なおつきあいじゃないという辺りが深刻…
ラスト、プラトンという犠牲を払ったものの、ようやくジムの父が立ち直りを見せたところで話は終わりますが、ジムの本当の戦いはこれからなんだなぁという次第。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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