サブタイトルに「ヒトラーの野望」とあるように、1933年に政権を握ったヒトラーが1939年に第2次世界大戦を引き起こすまで、ヒトラーと世界との関わりを中心に綴る。スペイン内戦やイタリアのファシスト党とムッソリーニ、軍国主義に突っ込んだ日本が満州事変を起こし、日中戦争に入り、南京大虐殺を引き起こしたあたりも当然入ってる。
第1次世界大戦の敗戦とベルサイユ条約により、多額の賠償金を押しつけられたドイツ。1929年に始まった世界恐慌は、そうでなくても息も絶え絶えだったドイツにとどめを刺したようなもので、ヒトラーが「民族の誇り」や「強いドイツ、大ドイツ帝国の復活」を掲げて登場した時には国民には「颯爽」と見えたんだろう。熱狂的にヒトラーとナチスを受け入れたドイツは、その後続く、ユダヤ人を始めとした迫害などにも集団的な抵抗を見せることなく、強制収容所・絶滅収容所を意識の外にシャットアウトして、敗戦までヒトラーやナチスとともに突き進む。
確かに「白バラ」のようにヒトラーの政策に批判的な人がいなかったわけじゃない。でも、第2次大戦中の狂気という意味ではドイツと双璧を成すであろう日本ともまた違った道を歩んだドイツ。日本がどうしてそういう道を歩んだのかは「昭和史」という名著に詳しいが、ドイツにも同様の書籍があるのかなぁと思った。
どうでもいいのだが、この時代のイギリスの首相チェンバレンというのは、びんぼったらしいおっさんやのう(また、なんて暴言を)。
追記:日産マーチが真似っこしてるんで有名な
フォルクスワーゲン、実はヒトラーが大衆にも車を、という主旨の元で作らせた量産車だったそうな。うわー、まじですか。ドイツの高速道路、アウトバーンがナチスの雇用対策で造られたのは有名だが、まさかワーゲンまでだったとは。あの車を見て「かわいい」とはとうてい思えないじゃないですか、ねぇ?
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