監督:ジュールズ=ダッシン
出演:イリヤ(メリナ=メルクーリ)、ホーマー(ジュールズ=ダッシン)、ほか
1960年、ギリシャ
ギリシャの港町ピレウスを舞台に、娼婦イリヤと彼女を更生させようとするギリシャ哲学かぶれのアメリカ人・ホーマーの交流というより、ホーマーの一方的なおせっかいとその顛末を描く。
ホーマーのような自分の価値観を一方的に押しつける人間はわしは大嫌いなもんで、イリヤに説教をし、更生させようとし、最後は夢破れて帰っていくさまは「ざまぁみろ」ぐらいが近い感想でした。
ギリシャ人が過去のギリシャの栄光を蹴っ飛ばすような、笑い飛ばすような、今が大事という感覚は好ましく、イリヤの娼婦にしては底抜けに明るく聡明で、でもギリシャ悲劇を自分の好みに改竄しちゃう我が儘っぷりも微笑ましく、最後、ピレウスを去るホーマーはずっと肌身離さず持っていたメモ帳を海に捨てたのは、古い頭でっかちな自分との決別と読めなくもありません。
「その男ゾルバ」の爽快さに近い感覚ですかな。
Wikipediaを見ていたら、主演の2人は1966年に結婚し、おしどり夫婦として知られたそうです。へぇぇぇ〜
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