監督:アンジェイ=ワイダ
出演:レフ=ワレサ(ロベルト=ヴィェンツキェヴィチ)、ダヌタ=ワレサ(アグニェシュカ=グロホフスカ)、オリアナ=ファラチ(インタビュアー)(マリア・ロザリア=オマジオ)、ほか
見たところ:川崎アルテリオ・シネマ
2013年、ポーランド
ポーランドの巨匠アンジェイ=ワイダ監督の最新作です。前々作「
カティンの森」(これが前作だと思っていたら、「菖蒲(2009年作品)」という文芸作品を撮っておられたそうです。御年87歳とは思えないパワフルさですネ)や「
地下水道」、「
灰とダイヤモンド」、「コルチャック先生」、「
世代」と見た本数もそれなりなんで、わしの中ではそろそろワイダ監督の新作ならば行く!という意志が固まりつつあります(ほかには黒澤明監督、ケン=ローチ監督、カン=ジェギュ監督、モフセン=マフマルバフ監督あたりが該当)。
1980年、イタリア人の著名なジャーナリスト・オリアナ=ファラチはポーランドのグダンスクを訪れた。今や世界で2番目に有名なポーランド人、連帯の指導者レフ=ワレサ委員長にインタビューするためだ(1番目は当時のローマ教皇ヨハネ=パウロ2世)。ワレサの話は1970年12月に起こった食糧暴動から始まった。グダンスクのレーニン造船所で電気工として働くワレサをポーランド発の独立自主管理労働組合「連帯」の委員長に押し上げたものとは何だったのか、彼は自分たちの戦いを語るのだった。
B.G.Mにずいぶんロック調の曲が多いなぁと思っていたら、監督が意図的に1980年代のポーランドのロックバンドの曲を使っていたそうです。ロックというのは本来、反体制的な曲調だそうですんで、これらの曲も発禁になったり、メンバーやグループも活動を制限されたりといろいろあったようですが、それだけにとてもパワフルな曲が多く、ワイダ監督も87歳になったけれど、まだまだ若い者には負けんでぇという気概が感じられました。
これはワレサ委員長のキャラクターによるところも大きいのでしょうが、全般、パワフルな印象の映画でした。ワレサ委員長との間に8人の子を設けた(インタビュー当時は6人)ダヌタ夫人もしっかりした女性でしたし。
連帯は1989年に勝利をもぎ取り、東欧に初めての民主的な政権が誕生し、その後の雪解けやペレストロイカ、ソビエトの解体に繋がっていきます。
しかし、当の連帯は分裂を繰り返し、一時はポーランド国民(約3000万人)の1/3いた会員も今は60万人ばかりだとか。
ポーランドの現代史の1ページを知るに相応しい映画です。
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