監督:ジャン・ポール・ル=シャノワ
出演:ジャン=バルジャン(ジャン=ギャバン)、ジャベール(ベルナール=ブリエ)、コゼット(ベアトリス=アルタリバ)、ファンティーヌ(ダニエル=ドロルム)、マリウス(ジャンニ=エスポジト)、テナルディエ(アンドレ=ブールビル)、エポニーヌ(シルヴィア=モンフォール)、ほか
原作:ビクトル=ユゴー
1957年、フランス・イタリア
「ああ無情」とかのタイトルや同名のミュージカルでも有名な「レ・ミゼラブル」の映画です。本場フランスとイタリアとの合作で、フランスの代表的な名優ジャン=ギャバンが主役をやったので見てみました。二部作ってんで、驚いた。
ジャン=ギャバン氏のジャン=バルジャンははまり役です。パンを盗んだ罪と脱走罪で19年も刑務所に閉じ込められ、出てきても煙突夫の少年から2フランを盗んだジャン=バルジャン、けれど銀の食器を盗んだミリエル司教に許され、改心した彼が、工場主となって成功し、市長となっても追いかけてくる過去の罪。この時代のフランスでは前科者は町を通過するのにも証明書を見せねばならず、差別され、更生することも困難だったのです。ジャン=バルジャンがもしも再犯すれば、今度は終身刑も免れないといいます。
バルジャンを執拗に追いかけるジャベール。原作ではどうだったか忘れましたが、映画では子どもの頃にツーロンの獄でジャン=バルジャンと会ったことがあり、そのためにジャン=バルジャンは市長になった町から逃げ、パリからも逃げようとしましたが、逆にジャベールがパリ・コミューンに捕まると、それを逃がしてやります。そして、マリウスを助けたバルジャンを捕まえましたが、彼に「なぜ逃がしたのかわからないのか? 哀れだな」と言われて、初めて自分のしてきたことを考え直したのでしょう。最後にはセーヌ川に飛び込んで自殺してしまうのでした。ピストル自殺なんてのもあったような…
そしてファンティーヌから託され、ジャン=バルジャンの生き甲斐となったコゼット。しかしあいにくと、映画で見ている限り、少女の頃、テナルディエの宿屋にいた頃はまだ利発さもうかがえる娘だったのに、長じてマリウスとラブラブになってからはなんか馬鹿っぽくなってませんか?(←暴言) マリウス愛しで、ほかのものは目に入ってないっぽいです。ただ、彼女を蝶よ花よと育てたのはバルジャン自身ですから、ラスト、「わたしは幸せだった」とコゼットに言うのはまた事実なんでありましょう。
それより、ジャン=バルジャンが前科者と知った時のマリウスの「もうコゼットには会わないでください」発言に、
我、何様じゃい!と怒り心頭になってしまいました。昔、「レ・ミゼラブル」のミュージカルにはまっていた会社の後輩がマリウス&コゼットをバカップルと言ってましたが、やっとわかった! ヽ(`Д´)ノ
で、そのジャン=バルジャンが実は命の恩人だと知って手のひらを返したマリウスにも腹立った!
ヽ(`Д´)ノでも、全てを許して、受け入れて死んでいくジャン=バルジャン。この物語のメッセージは
全ての人に許される権利があるということだと思う。少なくとも俺は、許したいと思っている。
それにしてもナレーションが随所に入ってうるさい。ヽ(`Д´)ノ(←このAAもいい加減うるさい) このナレーションを削ったらもっと良かったと思った。
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