監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
出演:大木琢郎(塚地武雅)、光山杏仁(谷原章介)、星野寛子(北川景子)、来香(佐田真由美)、橋野本江(大島美幸)、真介(池内博之)、久恵(本上まなみ)、玲美(佐々木希)、勇気(山本裕典)、米沢明(ブラザートム)、白木(中条きよし)、神山晃(伊武雅刀)、ほか
テーマ曲:My Revolution(渡辺美里)
予告を見た時から気になっておりました。あんまり予告で映画って見ないんですけどね。そうでもないか。いや、こういうコメディ系ってだな。それもばりばりのラブコメ、キャッチフレーズが「人生を変える夢のスーツ、あります!」って、いや、どうなのよって警戒しますよね。でも、伊武雅刀さんとか、いかにもなハンサムの谷原章介くんとか、塚地武雅くんとか、何かおもしろそうだったんすよ。で、登場人物の1人、本江が、ブサイクであることを悩む主人公・琢郎に言った台詞が極めつけ。「琢郎さんが琢郎さんでいちゃ、いけないんでしょうか」って、ありきたりな台詞かもしれないんだけど、見に行こう!と。
行ってみたら、これが大正解。80年代のヒット曲「My Revolution」や「大迷惑」「M」「SOMEDAY」に乗せて送る、正統派の人情コメディだったよ。いや、笑って笑って泣いて、おもしろいっす。
母が残した小さな定食屋「こころ屋」を営む大木琢郎は、心優しく料理の腕も抜群のブサイク。ついたあだ名が豚郎、バスの中で女性にぶつかれば泣かれ、くしゃみをすれば半径2メートル以内の女性から逃げられ、こくってはふられること101回、もてない人生を送っていた。その「こころ屋」に美人で優しい寛子ちゃんがバイトに来てからというもの、琢郎の心は寛子ちゃんにときめきっぱなし。しかし、意を決して寛子ちゃんに告白した琢郎を、彼女は「見損ないました」と言って振ってしまい、店には来なくなった。店にはブスの本江がバイトに入ったが、町でたまに見かける寛子ちゃんに琢郎は未練たらたら。しかし、親友の真介の結婚式に着ていくスーツを探して、洋服の青山にやってきた琢郎に、店長の白木が「理想の自分になれる」ハンサムスーツを提示する。最初は渋っていたものの、結局着てみた琢郎は、女性が失神するほどのハンサムに大変身! 店長から「光山杏仁」の名をもらい、町に出た琢郎は、芸能プロダクションの社長・神山に目をつけられ、モデルとしてデビューしつつ、「こころ屋」に戻れば、大木琢郎に返るという二重の生活を送るようになった。杏仁として大成功を収めていく琢郎、しかし、一緒にいると心が安らぐ本江も気になる。寛子ちゃんも、同じプロダクションのクールなモデル、来香も杏仁が気になる模様…。
展開がけっこう漫画ちっくなので、こういうのりが嫌いな人はちと辛いかも。いや、できたらそののりに目をつぶってでも見るといいです。
80年代のヒット曲がシーンシーンで流れる懐かしさもありますが、なんちゅうても、「My Revolution」、琢郎が大好きで、応援歌のように流れるこの曲がほんとに良いのです。なにしろ飽きさせない。そして、嫌な奴が出てこないのも、どこか懐かしい映画ですな。出てくる人がほんとにいい人ばかり。杏仁にライバル意識をむき出しにするモデルの勇気も、嫌になるほど悪い奴じゃない。みんなが一生懸命ってところがまたおもしろい。琢郎の周囲は言うに及ばず、店員のヨネさんが、またナイスなキャラで、この親父、いかす〜っ! 伊武雅刀さん、中条きよしさんの濃さは言うに及ばず、こんな濃い店長、いたらすごいなぁ。親友の真介も、車いすのスーパーポジティブ野郎ってことで、格好いいです。
そして、脚本の鈴木おさむさんて「ブスの瞳に恋してる」の方だったんすね。奥さんが本江役でね。また本江がいい女で、自分のブスを笑い飛ばして、小さな幸せ探しがうまくて、もしかして、旦那、嫁さんの自慢したかったんじゃねーのー?と勘ぐりたくなるほど、本江はいい女だ。琢郎が気になってるのは明らかなのに、なかなかくっつかないのはいらいらするけど、それもこういう話ではお約束みたいなものだ。
例によってれでーすでーで、しかも真っ昼間だったせいか、観客女性ばっかり。みんな、げらげら笑って、楽しかったよ。ほんとに楽しい映画です。
久々に「My Revolution」カラオケで歌いたくなりました。たきがはの持ち歌だ。あとはおきまりの中島みゆきさんとか、プリンセス・プリンセスも好きだぞ。女の子の歌しか歌えないんだ。
笑って笑って、最後にちょっぴり泣いて、また笑って。幸せってなんだろう。身の回りの小さな幸せ、探してみませんか?
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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