監督:ロマン=カチャーノフ
出演:チェブラーシカ、ゲーナ、他
原作:エドゥアルド=ウスペンスキー
ソ連
「チェブラーシカ」シリーズ第三弾にして、シャパクリャクおばあさんが1話ぶりに登場の上、タイトルロールにまでなっています。個人的にはこの話がいちばん好きです。
避暑に出かけるチェブラーシカとゲーナでしたが、無賃乗車を企んだシャパクリャクによって乗車券を盗まれてしまい、列車から降ろされます。しょうがないので荷物を背負って帰るゲーナとチェブラーシカでしたが、二人を追うシャパクリャクは密猟者の罠に引っかかってしまい、密猟者に報復します。さらに先へ進むチェブラーシカとゲーナが遭ったのは汚れた子どもたちでした。近所の工場から出る汚水のためにカエルまでおかしな色に汚されてしまったのです。怒ったゲーナは工場に排水を止めるように言いますが、工場長は聞き入れません。ゲーナは実力行使に出、排水溝を塞いでしまいました。工場には逆流した汚水が溢れかえりましたが、きれいな川が戻ってきました。そしてシャパクリャクも二人に乗車券を返してくれ、三人は一緒に帰ることになりました。でも乗車券は二人分しかないのでゲーナが列車の屋根に座っていると、そこにチェブラーシカとシャパクリャクがやってきて、シャパクリャクはゲーナに盗んだアコーディオンを返して、ゲーナの唄を聴きながら列車は帰っていくのでした。
1話でもさんざんチェブラーシカたちの友だちできるといいなハウス(という名前があるわけではありませんが適当に命名)建設を邪魔したシャパクリャク、今回はさらに悪質で乗車券、財布、ゲーナのアコーディオンに加えて、途中でチェブラーシカとゲーナが置いていった荷物までかっ攫います。
ところが、この話、結果オーライなところもあるんですけど、そのおかげでチェブラーシカとゲーナは密猟者と汚水を垂れ流す工場を懲らしめるという筋書きなんですから、まぁ、シャパクリャクがタイトルロールになってるのも肯けるというものです。
相変わらず細やかな動きが素晴らしいアニメーションなんですけど、圧巻はやはりゲーナの演奏シーンでしょう。手を上下に動かし、身体を揺すりながら歌うゲーナは、またこの場面が見られるとは思っていなかっただけに感動もひとしおであります。
それにしんみりした表情で聞き入るシャパクリャクと、二人の間に座って楽しそうな、嬉しそうなチェブラーシカの表情も可愛い。三人で仲良く列車の屋根に乗ってるエンドシーンはしみじみと見入ってしまう傑作だと思いました。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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