アベルの愛娘フロレンティナは美しく成長したが、そのまま後継者になってほしいというアベルの願いを受けず、大学卒業後、デパートの売り子となる。一方、ケインの息子リチャードも、銀行業に興味を示さなかった。そしてフロレンティナとリチャードは互いの素性を知らぬままに知り合い、強く惹かれていく。だが、素性を知った2人の仲をケインもアベルも許さず、若い2人は何も持たずにサンフランシスコへ向かってしまうのだった。
早くも今回は1953年となりました。ケインもアベルも51歳のはずです。そしてそれぞれの息子と娘も大学を卒業する歳になりました。アベルの妻だったザフィアは平凡な暮らしを望みましたが、フロレンティナはホテル王の娘にふさわしい成長を遂げたようです。一方、リチャードは音楽とかに興味を示し、ケイン家代々の銀行業に関心がありません。さらに偽名を使ってデパートに勤めたフロレンティナに一目惚れ、手袋を20組も買って彼女とのデートにこぎ着けます。ここら辺、リチャードの描き方が軽薄なおぼっちゃんって感じです。ケインの息子にしてはずいぶん軟弱な気もしますが、これは後で彼の男らしさを際立たせるための演出でしょうな。で、その時にリチャードは名乗るので、素性は知れます。しかし、父親べったりのフロレンティナがケインの名を知らぬはずがなく、当然、父の抱く並々ならぬ憎悪も知っております。かくして彼女は自分の素性を明かせぬまま、それでもリチャードにもやがて素性が知られるのでした。ここら辺、ロミオとジュリエットな展開はおもしろいっす。
そして、それぞれの父の抱く憎悪は知っているものの、それほどのこだわりがあるわけではない世代ですので、2人をかすがいに父親同士の仲直りはできんものかと思った2人でしたが、ケインとアベルの抱く憎悪は2人の想像以上で、2人とも、父親から猛反対をされ、家出同然に飛び出してきてしまうのでした。
特にケインがアベルに抱く憎しみについては、今回、ケインの銀行が買った航空会社が事故を起こしたため、アベルがその株100万を売りに出し、また底値になったところで買いたたくということでも増幅しております。
すでに、アベルにあることないこと吹き込んだオズボーンは零落、アベルに選挙資金を出してもらえなかったという理由もあって、下院議員などとっくにやめているのですが、もうこうなったら互いに後を引けないって感じで、自分を憎悪に駆り立てている印象です。コーエン弁護士とか、ジョージとか、冷静な人は周りにいるのに、どっちも頑固でプライドばっかり高いもんだから、素直に和解できないっていいますか。まぁ、ここら辺のへの突っ張りっていうの、プライドの高さが邪魔をする〜な展開はたきがは、好きですので(ダーコーヴァ年代記の「ストームクイーン」なんかもろにそれだった。「ホビットの冒険」のトーリン=オーケンシールドとか)、最後は和解するのはわかっているんですが、どういうきっかけだったかきれいに忘れてしまいましたので、楽しみにしたいと思います。
子は駄目でも孫が生まれたら、意外とケインさんちなんか奥さんいるし、簡単に折れちゃいそうな気もしますけど。
あと、今回はアベルが娘と久々に里帰り。荒涼とした城に呆然とするアベルに、いくら大金持ちでも、社会主義国となったポーランドでは城を買い戻すこととかもできないのだろうなぁと思うと、第1話からの郷愁にちょっときゅんとしたのでした。レオン、男爵、フロレンティナの墓に跪くところとか。そういうのがあるから、たきがは、アベルのがケインよりちょっとばかり好きです。
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