リロイに見込まれてシカゴ・リッチラン・ホテルの支配人になったアベル。彼の手腕は赤字経営に陥っていたホテルを黒字に転換させるほど優れたものだったが、リロイの娘メラニーは、アベルの結婚の申し出をすげなく断った。一方、オズボーンと再婚したウィリアムの母だったが、妊娠中に彼が親友のミリ−と浮気していることを知り、難産の末に亡くなってしまう。その後、世界大不況が2人にも襲いかかり、デービス=リロイはケイン&キャボット銀行から借りた200万ドルを払えずに自殺してしまう。リロイからリッチラン・ホテルの全ての株を譲られたアベルも危うくホテルを手放すところだったが、匿名の融資を受け、踏みとどまる。しかし彼はリロイを自殺に追い込んだウィリアム=ケインを深く恨み、保険外交員として近づいてきたオズボーンの触れ込みもあって、彼への復讐を誓うのだった。
というわけで、第1話では邂逅程度で済んだ宿命の男たちの運命が大きく交錯し、アベルはケインを深く憎むようになっていく第2話です。
実際の世界恐慌にからんでの2人の運命の交錯、アベルはリッチラン・ホテルを、ケインは銀行を守るために懸命になるわけですが、これはどうしても金を貸す立場の銀行の方が強いと思いました。もちろん、ケインにもアベルの言い分を呑むわけにはいかない理由はあるのでしょうが、今の時代にもありそうな企業家と銀行の対立という構図は、圧倒的に銀行に有利であり、その分、「金を貸せない」とアベルを突っぱねるケインはとても冷たいキャラに写ってしまうのです。それには、アベルに会う前に、彼がとある美しい未亡人にの財産を整理する手助けをしているのを見ているので、「惚れた女には甘々のくせに〜!」という心理も視聴者に働かさせてしまう脚本はあこぎと言ってもいいくらいです。
またあくまでも順風満帆そうなケインに対して、アベルは恋においても破れたところを見せています。デービス=リロイの娘メラニーにプロポーズしたのに、ポーランド移民にはポーランド娘がお似合いなんて言われてしまいます。その後、第1話で再会を約束したザフィアに会っていますんで、それはそれでいいんでしょうが。アベルの場合、自分の野心、成り上がりを手っ取り早く片づけるには逆玉を狙うのが早く、それにはリロイの娘メラニーは最適かと思ったのですが、あっさりふられちゃいましたな。リロイはアベルのことを息子のように思うほど買っているのですが、娘はそうはいかないようです。うーむ、アベルの方が野心の踏み台ほどにも思っていない、つまり本気っぽいのがまた哀れ。まぁ、ザフィアに再会したからいいか。
アベルはリッチラン・ホテルの再建を匿名の融資者に約束しますが、時代がそうは問屋は降ろしません。第二次世界大戦が、すぐそこまで迫っているからです。
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