目先を変えて、TVドラマを鑑賞。原作はジェフリー=アーチャー。聖書にもある「ケインとアベル」というタイトルが示すとおり、同じ日に生まれた2人の男の人生を描いた大河ドラマであります。
出演:アベル=ロフノフスキ(ピーター=ストラウス)、ウィリアム=ケイン(サム=ニール)、ほか
1901年4月18日、ポーランドのとある森の中で、1人の女が赤ん坊を産み、絶命した。赤子は近所の猟師に拾われ、ヴワデクと名づけられる。同年同月日、アメリカのボストンに1人の赤子が祝福されて誕生した。大銀行ケイン&キャボットの頭取リチャード=ケインの息子、ウィリアムである。ヴワデクは領主アベル=ロフノフスキに利発さを買われて、その息子レオンの遊び相手として引き取られるも、1914年に始まった世界大戦に巻き込まれて領地はドイツ軍に接収され、1918年にソビエト軍に解放されるもシベリアに送られる。同じ頃、ウィリアムはケイン家の跡取りとしてのびのび育てられたが、1912年に父をタイタニック号の沈没で失い、母の再婚相手のオズボーンとはうまくいかなかった。母の死後、ウィリアムはハーバード大学を主席で卒業し、ケイン&キャボット銀行の頭取となる。一方、シベリアの収容所を脱走したヴワデクは、オレンジ1つを盗んだことで手首を斬られそうになったところを、同郷の大使に救われ、アメリカへの移民船に乗る。そこでザフィアというポーランド娘と知り合ったヴワデクは、アメリカに到着後、アベル=ロフノフスキと改名する。夜学の大学に通って経済学などを学んだアベルはプラザ・ホテルで大ホテル・リッチランのオーナー・デービス=リロイと知り合い、リッチラン・ホテルに抜擢される。折しもそれは、ウィリアム=ケインがハーバード大学を卒業した祝いをプラザ・ホテルで行った日であり、2人の男の運命はこうして邂逅したのであった。
第1話はスペシャル版だったので長いのです。26年も前に朝日テレビ系列で放映してたんだけど、見た人はいるでしょう。最初から吹き替えだったのですが、青年ヴワデクから平幹二郎さんが声をあてていて、すごい違和感を覚えた記憶があります。ただ、話としては日本のドラマにはないダイナミックな展開があり、主役2人の魅力とドラマチックな筋立ても良く、たきがははかなり楽しみに見ておりました。ビデオに録っておいたのは再放送したやつだったはずです。それぐらい好きだったのさ。
なんちゅうてもケインとアベルという、同じ日に生まれながら、全然境遇の違う2人の主役がいいです。だいたいの筋は覚えているのですが、また見ながら思い出したりもしたのですが、ヴワデクがシベリアに送られたという展開はすっかり忘れていたんで驚いたよ、わしは。もう第1話から波瀾万丈の人生ですが、その後もアメリカンドリームを体現するようなキャラクターで、ケインとの対決にわくわくします。実はロフノフスキ男爵の庶子という生まれも、何から何までケインと対照的ですしね。
対するウィリアム=ケインは、最初から大富豪の息子で、家族関係がさみしいものはありますが、わりと恵まれた家庭に育ちます。そういう意味ではこっちもアメリカ的といいましょうか。
交互に綴られる2人の青年が、ラストでようやく邂逅した。ここから、2人の運命は複雑に、愛と野望とに彩られながら、絡み合っていくのでした。
ところで2人の生年がどこを小説では「1906年」となっているようなんですが、ドラマでは1901年だったはずなんだよね〜 そうしないと、1918年にシベリアに送られたアベルがピーター=ストラウスになってるのはおかしい。1906年だとまだ12歳やんか。と思ったのですが、DVDにもなってないらしく、なんかもったいないっす…
現在では小説の方が手に入れやすいんですが、アベルの造型が「びっこの小男」になっとるもんで、ちょっとイメージダウンかも。吹き替えの平幹二郎さんは、アベルがホテルマンになった辺りから違和感なくなるし。ただ、本職の声優さんじゃないから、あんまりうまくないですネ。
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