マイケル=チミノ監督。ミッキー=ローク、ジョン=ローン出演。
ニューヨークのチャイナタウンの祭り中、支配者のワンが何者かに暗殺される。その葬儀中、チャイナタウンの担当になったスタン=ホワイトは優秀な警部だが、強引な捜査のやり口で、共働きの妻とはうまくいっていない。ワンの後を継いでチャイナタウンのボスになったハリー=ヤンだったが、同時にチャイナタウンに攻撃を仕掛けてきた何者かに対処できず、ワンの娘婿、ジョーイ=タイに後釜を譲ることになる。スタンはジョーイの危険さを見抜き、彼を目につけるようになるが、チンピラたちを操り、ワンを殺させ、チャイナタウンを混乱に陥れたジョーイの化けの皮をなかなか引っぺがすことができない。でっち上げ捜査でチンピラたちを逮捕しても、その奥にいるジョーイを引きずり出せないのだ。妻との仲が悪くなる一方のスタンは、ワンの葬儀の時に知り合った中国系のアナウンサー、トレイシー=スーといい仲になっていった。しかし激しさを増すジョーイとの抗争中、チャイナタウンに潜入させていた見習い警官のハーバードを殺され、妻も失ってしまうスタン。その時、ジョーイはタイに出向き、カナダの中国系マフィアのマーを殺し、ヘロインの取引を有利に進めていた。妻を失って切れたスタンはジョーイを殴り、すっかり荒れたチャイナタウンに長老たちはジョーイの不手際を責める。ジョーイは麻薬の取引を優位に結んできたことでその失策を取り返せると主張するが、ハーバードが命がけでつかんだ麻薬取引の情報をスタンに現場を押さえられてしまい、一騎打ちに負け、自殺する。チャイナタウンの情報を盗聴していたことが明るみに出たためにスタンも免職になるが、彼を優しくトレイシーが出迎えるのだった。
ううう〜
主演ミッキー=ローク(スタン)だけん、ジョン=ローン(ジョーイ)が悪逆非道を尽くしても最後は負けちゃうし、悪役と言ってもチンピラ使ってるだけだから、いまいち凄みがない。唯一、タイでの取引のシーンで、「マー(カナダのマフィア)の方がいい条件だ」をうそぶく麻薬王にマーの生首をつかみだしたところは迫力あって良かったんだけど、なんつーかね、たきがはの期待してるのそういう悪役でなくて、自分の手は決して汚さず、部下を手足のように使う暗黒街の帝王なんすよね。しかもラスト、あろうことか、スタンに顔をぼこぼこに殴られるわ、包帯だらけでしかも銃での戦いで負けちゃって自殺しちゃうわ、悪は滅びるっちゅーんですか? いや、いいんだよ、フィクションの世界では悪が勝ったって。わしが見たいのはそういう悪の美学なんだから。
そういう意味では大変フラストレーションちゅーか、不満の残る話でして、まぁ、一方的に期待したわしもわしですが、理想像にはほど遠いもんでした。いやね、絶対に似合うと思うのよ、悪の限りを尽くすジョン=ローンって。実写版のノロイ(「ガンバの冒険」の悪役。白イタチ。たきがはの理想とする悪役像)みたいな。すげぇ格好いいと思う。想像するだけでぞくぞくするっす。
えー、ミッキー=ロークは最初からアウト・オブ・眼中。上司の部長が触らぬ神に祟りなしの典型的な公務員なんだけど、実はスタン夫婦への理解がある、というのはなかなか良かったすね。でも、スタンは免職されちゃうけど、最後は彼女ゲットしてるし、奥さん、殺され損か。それにしてもトレイシーの部屋って高そうなんだが、風呂に囲いがないのは衛生上どうなのか、変な心配をしたたきがは家では、鍋敷き、醤油差し置き、さらに去年の夏に買った藺草マットにまでびしびし黴が生えまくり、藺草マット見た時にはもう、しょんぼりっちゅーか、泣きたくなったですよ。マットはともかく、フェアトレードのバーゲンで買った毛布入れにもなる、お気に入りの抱き枕まで黴移っちゃってさぁ。梅雨も明けたからこれからは前ほど心配しなくて良さそうだけど、今度はそろそろ乾燥が心配ちゅーのも何だかね。
閑話休題。
実は「殺人の追憶」も見たかったんだが、吹き替え版しかなかったので諦めたのだ。こういう時にDVDってほんまに便利だと思うわ。ビデオって選択肢ないもんなぁ。見たいと思っていたのに見なかった映画を、この機会にいろいろ見ておこうと思う。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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