車の免許を取る時にゃ、自分の年齢分くらいの金がかかるとはよく言われる話であるが。まぁ、不器用で運動音痴なたきがはは、その1.5倍くらいの金をかけてやっとこ取ったものだった。おかげで貯金を使い果たした。しかも、ちょうど道交法の改正直前に飛び込んだもので、教習所は予約でぱんぱんだったけど、気の合う教官を見つけられたのでなんとか実技もペーパーも一発で通った。あの時、先生、誰でもいいや〜なんて思っていたら、間違いなく卒業できなかったといまでも思う。水と油ぐらい、相性の悪い先生がいたんだよ。実技ではんこもらったこともなかったしな。
しかも「オートマの方が1ヶ月くらい遅れる」と言われて、いやいや取ったマニュアルの免許、実は卒業以来、たきがはは公道で一度もマニュアル車を運転したことがない。実家で買った車も自分で買った車も全部オートマ。前の会社で車を運転した時も全部オートマ。しかも不器用だし、運動音痴だし、なにしろ手先を使う仕事が自分に向いてないことは昨年、たった3ヶ月のアルバイトでさんざん思い知らされたもんで、いまの職場でマニュアルを運転しなくちゃならなくなった時だって、「身体が覚えてるなんてあるわけねーじゃん」と思ったものだったさ。
しかし、さすがにいつまでも「マニュアル運転できませ〜ん。そのうち覚えま〜す」なんて言い訳が通らなくなった昨今、たきがは、二度ほど無理無理マニュアル車を運転させられ、近所をちょっと走り、今日はとうとう水俣の町中へマニュアル車を走らせた。
思い出すなぁ。初めて公道へ出た時に40km道路で30kmで走って怒られたっけなぁ。
しかし、「あたい、この夏はちょっと違うのよね」40km道路を40kmで走ったよ。ギヤチェンジも時々急発進なんかしながらなんとかこなしたよ。バックはかなり怪しいけど、前に進むぐらいなら何とでもなりそうだよ。
たきがはが免許を取ったのは12年前の話だ。舘ひろし主演で「免許がない」という映画をやってて、わざわざ劇場まで見に行ったほどだったさ。身につまされたけど、おもしろかったよ。あれ以来、舘は3枚目のが絶対に似合うなと思ってる。
その12年前のことを身体は完全に忘れたわけではなかったようだ。「身体が覚えてる」のもあながち嘘だとばかり言い切れないようだ。ほんのちょっぴりだけど。
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